【既報関連】スポーツ用品のメーカーとして知られるアディダス社が25日、ワールドカップに合わせてインターネットで販売を開始したが、ブラジル当局から苦情が出ていたTシャツの販売を停止した。
問題のTシャツは「I Love Brasil」と描かれたものと、ビキニ姿の女性の横に、「得点を狙え(Lookin’ to Score)」と書かれたものの2点。前者は、Loveを意味するハートの真ん中に三角形が描かれた様子がTバックのビキニを身に着けた臀部に見え、後者は、「Lookin’…」の言葉が「女の子達の後を追いかける」という意味にもとれるというのがその理由だ。
ブラジル政府やブラジル観光公社(Embratur)関係者は、ブラジルへの観光客が性的な快楽を求めて来る事になってはと懸念し、これらの絵柄のTシャツ(売値は約25ドル、60レアル弱)の販売停止を要請。ジウマ大統領は自身のツイッターにメーカー名は伏せた上で、「ブラジルはワールドカップのために同国を訪れる方々を受け入れる事が出来る事を喜んでいますが、性的な快楽を求めてやってくる観光客に対処するための対策も既に講じています」と記載した。
アディダス社は一連の反応に、「弊社は常に消費者の皆様のご意見に耳を傾けてきました。問題となった商品は米国内だけの限定販売の品である事を明記した上で、今後は弊社の名前で先の商品を販売する事はない旨、公表いたします」との文書を発表した。
Embraturでは、同種の出来事が繰り返し起きない様、ワールドカップのスポンサーなどと会合を開く予定で、人権局の担当者や女性保護政策局の担当者にも出席を要請する意向だ。
Embraturは、「ワールドカップの成功は誰もが望んでいるが、どんな条件でもかまわないというわけではない。ブラジルにはきちんとした法規がないと考えている人達もいるが、我が国は法治国家であり、わが国の法律は遵守されるべきである」との警告も発している。
Embraturによると、性的な快楽を求めた観光客は年々減っており、13年に摘発されたのは、釣りを楽しむというキャッチフレーズで組まれた米国の企業のパッケージが売春ツアーだった例1件だけだったという。同公社のフラヴィオ・ディノ総裁は、「摘発されてない例もあり得るが、ブラジルは同種の犯罪行為に断固とした姿勢を貫いており、犯罪件数も減少傾向にある事は明らかだ」と明言した。(25日付G1サイトより)