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PSDB=レアル・プランから20年=「変革を今一度」とアエシオ=FHCも政権交代必要説く=「我々で経済安定」とPT

ニッケイ新聞 2014年2月27日

連邦議会は25日、レアル・プラン導入から20周年の記念式典を行った。その席で、「レアル・プランの父」と呼ばれる民主社会党(PSDB)のフェルナンド・エンリケ・カルドーゾ元大統領と、10月の大統領選出馬予定のアエシオ・ネーヴェス同党党首が労働者党(PT)政権の批判を行い、次期大統領選挙での政権奪取への意欲を見せた。26日付伯字紙が報じている。

レアル・プランは1994年、カルドーゾ氏がイタマル・フランコ政権の財務相だった時にはじまった新通貨による経済制度だ。同制度導入で、93年には2477%、導入年の94年も916%だったハイパー・インフレは、同氏が大統領に就任した95年に22・41%に落ちた。98年のインフレは1・65%まで落ちており、同氏が大統領就任中の8年間で、ブラジルの物価はかつてないほど安定した。

アエシオ氏はこの記念式典の席で、2002年にルーラ氏が大統領選勝利の際に言った「希望が恐怖に勝った」という言葉をもじり、「希望と信頼のショック療法がこの国には必要だ」と演説した。アエシオ氏は「ジウマ政権が信頼を失ってきている今、20年前にレアル・プランで変革を実現させた我が党が今一度変革を起こす時が来た」と語った。

アエシオ氏はジウマ政権について、「連立政権の行き過ぎで何でもありになってしまったブラジル政治を終わらせないといけない。今の政権はまるで権力のコンドミニオだ」と批判した。

カルドーゾ氏も、ルーラ氏以来10年以上続くPT政権に対し「誰かが勇気を持ってはっきりと〃もうピークは過ぎた〃と言ってやることが必要だ。今こそが変革のときだ」と語った。同氏はさらに現大統領に対し「信頼を回復できない人はリーダーとは呼べない」と語り、「ジウマ大統領は批判をする人に対し〃ペシミスト〃という表現を使う。それを言うなら、私は悲観主義者ではなく、現実主義的な楽観主義者だ」とした。

式典には、レアル・プランのモデルを築いた経済学者のエジマル・バシャ氏やグスターヴォ・フランコ氏を始め、かつてPSDBと連立与党を組んでいた関係で民主運動党(PMDB)のエンリケ・アウヴェス下院議長やレナン・カリェイロス上院議長らも参加した。だがPTからはエドゥアルド・スプリシ上議ひとりが参加したのみで、同上議もあまり長くいなかった。

アエシオ氏やカルドーゾ氏の言動を受け、前官房長官のグレイシ・ホフマン氏は、「99年の通貨危機のあと、レアル・プランを立て直したのはPTだ」と反論した。また、ルーラ氏も同日発行のヴァロール紙に「2002年に12・5%あったインフレ率を6%近辺で安定させたのは私の政権のときだ」と綴っている。それに対しカルドーゾ氏は、「ルーラ氏はいつも歴史が自分からはじまったかのように言うが、02年のインフレは同氏が大統領になったらという不安感が招いたものだ」と呆れていた。