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13年GDPは2.3%成長=リセッションは免れる=基本金利は10・75%に=注目される中銀の手腕

ニッケイ新聞 2014年2月28日

26、27日に、ブラジル経済にとって重要な意味を持つ二つの数字が発表された。一つは13年の国内総生産(GDP)が前年比2・3%成長したというもので、もう一つは経済基本金利(Selic)の0・25%ポイント引き上げだ。今後の中銀は、依然低い経済成長率と高止まりするインフレの間で、難しい判断を強いられる事になる。

13年の経済成長率は地理統計院(IBGE)が27日に発表したもので、同年第4四半期は前期比で0・7%成長し、年間成長率も2・3%に達した。

13年のGDPは、第1四半期が前期比ゼロ成長。第2四半期は1・8%成長したものの、第3四半期は0・5%のマイナス成長で、2期連続マイナス成長となるリセッション(景気後退)の懸念さえ囁かれた。

だが、第4四半期は市場の予想(0・5%)を若干上回る0・7%の成長となり、年間成長率を2・3%に押し上げた。この数字は、前年の1%を大きく上回り、政府関係者を安堵させた。これにより、ジウマ政権の3年間の経済成長率は2%となった。

13年の経済成長を支えた筆頭格はGDPの約70%を占めるサービスで、情報処理5・3%、運輸倉庫・郵便2・9%、商業2・5%など全部門が成長。全体の年間成長率は2%だった。

農業は、大豆の24・3%や小麦30・4%、トウモロコシ13%、サトウキビ10%など、穀物の収量増でGDPも7%と、過去最高の伸び率を記録した。

第4四半期も0・2%のマイナス成長だった鉱工業は、電気・ガス・水道が2・9%、加工業も1・9%成長したが、鉱業は2・8%縮小し、全体の年間成長率は1・3%に止まった。

12年は4%増だった投資が6・3%伸びた事は明るい材料だが、ドル高に後押しされるはずの輸出は、前半期のレアル高も響き2・5%増に止まった。これに対し輸出は8・4%増だった。

一方、08~09年の国際的な金融危機をいち早く抜け出した原因である一般消費は10年連続で成長したが、成長率は12年の3・2%を下回る2・3%。一般消費の減速は物価上昇で購買力が落ちた事も一因で、13年のインフレ率は5・91%、14年も6%と予想されている。

経済は低成長、インフレは昂進という中、中銀の通貨政策委員会は、26日に基本金利を0・25%ポイント引き上げ、年10・75%とした。基本金利はインフレ対策の切り札で、前回までは0・5%ポイントずつ引き上げられていたが、同金利の引き上げはローンや融資返済時の利子増額も意味し、経済活動活性化に向けた融資を抑制する事にも繋がる。年4・5%のインフレという政府の公式目標がいつ達成出来るか予想もつかない中、経済活性化とインフレ抑制の両方を睨んだ中銀は、0・25%ポイントの引き上げという中庸の立場を選んだようだ。

ジウマ大統領はSelicが7%台まで下がった事を選挙戦の謳い文句の一つとする意向だったが、現在の基本金利は政権開始時と同水準で、まだ引き上げられる可能性も残している。