州都第一コマンド(PCC)が、現在サンパウロ州内陸部のプレジデンテ・ヴェンセスラウ監獄で服役中の首領、マルコ・ウィリアムス・エルバス・カマショ(通称マルコラ)とその他3人のリーダー格の脱獄を計画していたことが判明した。27日付伯字紙が報じている。
この情報はサンパウロ州市警、軍警、検察局が司法当局に提出した報告書に記載されているもので、26日にSBT局とエスタード紙のサイトの報道でも明らかにされた。
PCCが脱獄させようと目論んでいるのは、マルコラとクラウジオ・バルバラ・ダ・シウヴァ、ビン・ラデン(通称)、ドゥ・ベタ・ヴィスタ(通称)の4人のリーダーたちだ。
計画では、PCC構成員らが4人の収監されているヴェンセスラウ監獄を銃撃している間に、ビン・ラデンが格子を破って準備した窓から4人が脱獄、そこで軍警が使うヘリコプター〃アギア〃に似せてカモフラージュした機体が接近し、上空からかごを降ろして4人を乗せて逃走する。ヘリコプターはPCC構成員が待つパラナ州のロアンダ空港まで飛び、そこでさらにセスナ機に乗り換えてパラグアイまで逃げるというものだ。
この脱獄計画の立案者はジルベルト・アパレシード・ドス・サントス(通称フミーニョス)だとされており、この他、少なくとも5人がこの計画に絡んでいると見られている。
同計画は昨年1月頃、クラウジオ・バルバラが刑務所内から携帯電話で行なった夫人との会話で明らかとなった。それによってPCCが3人の構成員にヘリコプターの操縦訓練を行なわせていたことが判明。訓練はサンパウロ市北部のカンポ・デ・マルテ空港で行なわれていたことが確認されており、教官は、昨年11月にコカイン450キロを運んでいたとしてエスピリトサント州で逮捕されたアレッシャンドレ・ジョゼ・デ・オリヴェイラ・ジュニオール容疑者だ。同容疑者はミナス・ジェライス州議のグスターヴォ・ペレーラ氏(連帯・Solidariedade)所有のヘリコプターの操縦士だ。
2002年にPCCの首領となったマルコラは06年に殺人や強盗、誘拐などの罪で逮捕され、13年に160年の実刑判決を受けているが、この計画が判明したのを受け、社会との接触が1日22時間禁止される特別独房行きを言い渡される見込みとなっている。
また法務省は、極秘事項となっていたはずのこの計画に関する報告書が、マスコミに漏洩したことを遺憾に感じているという。