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デコラル・コン事務所閉鎖=アルゼンチンが強硬手段

ニッケイ新聞 2014年3月1日

 アルゼンチンの連邦歳入局が、ブエノスアイレス市内にある、オンラインの旅行会社デコラル・コンの事務所2カ所を閉鎖し、営業許可の取り消しも求めた。

 歳入局によると、約1年前から捜査した結果、デコラル・コンが税を逃れるために様々な方策を試みている事が判明したという。

 疑惑の一つは、アルゼンチン国内で行った業務を米国にある会社が扱ったかのごとくに粉飾しているというものだ。米国の会社への送金は、同社の収益の29%に相当する額だという。

 デコラル・コン側は裁判所の暫定令を得て通常通り営業を継続。少なくとも27日朝の時点ではアルゼンチン国内での同社サイトは正常に機能している。

 歳入局職員が同国のメディアに匿名で流した情報によると、デコラル・コンの実際の収益は申告額の10倍に上ると見られるが、ここ5年間の所得税は1ペソも払われていないという。

 歳入局は、顧客が所得税を申告するために必要な請求書などもきちんと送られていない事などを理由として、司法当局にデコラル・コンを告訴している。

 デコラル・コン側は顧客への請求書の送付が遅れていた事を認めているが、その一方で、歳入局が事務所を閉鎖しようとした真の理由は、クリスチーナ・キルチネル政権が、アルゼンチン国民が国外に旅行する事を制限しようとしているからだという。また、本当に税金を払っていないなら、営業継続は不可能だとも弁明している。

 デコラル・コンは1999年に同国の企業家2人が設立したオンラインの旅行会社で、本社は米国東海岸中部のデラウエア州にある。現在は21カ国で、航空券やパックツアー、宿泊の予約・販売、レンタカーの運営などの営業活動を行っている。ブラジル国内のデコラル・コンも同グループに所属している。(2月27日付フォーリャ紙電子版より)