【既報関連】少雨のため水位低下が続くカンタレイラ水系で、サンパウロ州水道公社(Sabesp)に対する取水制限が行われる事が決まり、同水系から給水されている地域での給水制限も不可避となると2月28日付フォーリャ紙が報じた。
四つの貯水池があるカンタレイラ水系は大サンパウロ市圏880万人とカンピーナス地方550万人に給水する国内随一の水源地で、水系内の水位は2月19日に18%になった後も0・2%刻みで低下し続け、2月27日には16・6%になった。
このため、27日に開かれた技術者達の会議ではカンタレイラの取水制限は不可欠との意見が大勢を占め、Sabespも正式に文書が出次第、取水量を減らす必要が生じる。同水系での取水制限とそれに伴う水の供給制限の必要は多くの人が予想していた事。「給水制限はない」と言い続けていたアウキミンサンパウロ州知事も、2月25日には「給水制限の有無は技術者達が決める事だ」と発言し始めていた。
カンタレイラ水系の2月の降水量は25日現在で60・7ミリで、月間平均の202・6ミリには遠く及ばない。アウキミン知事は2月13日以降まとまった雨が降る可能性と2月に始まった節水キャンペーンの効果に期待し、「給水制限は不要」としていたが、貯水池の水位低下が続き、発言を翻す必要が生じた。
27日にSabespへの取水制限を決めたのは、国家水資源庁(ANA)とサンパウロ州の水資源・エネルギー局(DAEE)が合同で設けた技術者グループだ。具体的な取水上限はフォーリャ紙も明らかにしていないが、大サンパウロ市圏への供水量が減る事は明らかで、同グループの決定が公式に発表された時点で、取水・供給制限が始まる。
なお、同知事の承認済みだったヴォルーミ・モルタ(貯水池の最深部で取水口より下の水)の利用は、ポンプ敷設や通常の水より多い汚泥処理の必要その他の理由で準備には5~6カ月かかるため、即効性はなく、回復にも時間を要す。
3月にはある程度の雨が見込まれているが、例年雨が少ない冬を迎える前に貯水池水位が50%となるには、2カ月間で1000ミリの雨が必要とされており、予断は許さない状況が続く。
自治体や各メディアは水漏れを発見したら通報をと呼びかけているが、サンパウロ市中央部アクリマソンでは2月22日に始まった路上の水漏れが27日になって修理されるなど、Sabespの対応への不満も根強い。公約では通報から48時間以内に修理となっている。