日系社会を代表する5団体と在聖総領事館が手を結んで1月に立ち上げた「ブラジルワールドカップ日本人訪問者サンパウロ支援委員会」が28日午前11時、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会(文協)で会見し、設立の目的を発表し、公式サイト(www.bunkyo.org.br/ja-JP/worldcup)を公開した。
同委員会の会長には木多喜八郎文協会長、副会長にはサンパウロ日伯援護協会の菊地義治会長、ブラジル日本都道府県人会連合会の園田昭憲会長、ブラジル日本商工会議所の藤井晋介会頭、日伯文化連盟(アリアンサ)の中谷アンセルモ理事長が就任している。在サンパウロ総領事館の福嶌教輝総領事が顧問となり、会見に列席した。
木多氏は「来伯者の保護、援護が目的。公式サイトを通じ、治安状況などの情報提供をする」と概要を述べ、園田氏は「邦人保護の総領事館を中心に文協は広報、援協は医療、県連は宿泊、アリアンサは通訳、商議所は後方支援と、得意な役割を分担して支援をしたい」と加えた。
文協サイト内に前記の特設ページがすでに公開されており、交流サイト「Facebook」のアカウント(www.facebook.com/worldcup.brazil.nikkey)も作成済み。日本人向けであるため、サイトは大半が日本語となっており、前述の役割分担に沿うよう各団体のサイトへリンクが張られている他、関連施設の地図や試合日程・結果、無料wifiスポットも案内している。
総領事館、援協は24時間体制で電話等の窓口を設け緊急時に対応する方針。援協は緊急連絡先が記載された名刺カードを500枚用意する予定で、菊地氏は「各日系団体や店舗、訪問者個人に配布する」とした。
各会館に雑魚寝となる宿泊に関しては、宮城(40人)、秋田(30~40人)、福島(10人)が場所を開放する予定。範疇を越えた場合に対し、園田氏は「あくまで緊急であり、先着順にならざるを得ない。未知数な部分まで対応は難しい」と強調した。
実際の試合会場となるレシフェ、ナタル、クイアバ3都市の日系団体との連携について質問をすると、「5団体の能力は限られる」と前置きし「各地の日系団体から要請があればサンパウロの文協が検討する」と前向きでない姿勢を示した。各地から資金難が叫ばれている件を藤井会頭に問うと、「結局のところ各企業の判断に委ねられる」と語り、一括した窓口を作って地方を支援する形の運営費捻出に難色を見せた。