ニッケイ新聞 2014年3月1日
日本へ帰国中の正月あたりから、頭痛に悩まされるようになった。お屠蘇の飲みすぎかと思い、三が日にも関わらず断酒したのだが、なかなか直らない。寝返りを打っても歩いても痛い。新年早々、不快なことこの上ない。いままで気にしたこともなかったのだが、試しに血圧を測ってみると200近かった。医者にすぐ生活改善を求められた▼寒さやストレス(?)など色々な理由が重なったのだろうが、血圧が高いのは生活習慣病で万病のもとだとか。減塩、玄米にし、酒も控えた。すると頭痛も霧散し、体も多少軽くなった。念のためにと脳の検査もし、血管の異常もなく安心したのだが、奇しくもそれが誕生日だったので、これから迎える厄年へのサインだと思い、若くはないのだと摂生の日々を過ごしている▼職業柄、年配の方と話すことが多い。話題が健康に及ぶことが多く、今までは半分上の空で聞いていたのだが、最近身を入れて拝聴するようになった。高血圧には、シュシューがいいらしい。玄米は無農薬を使わなければだめだー。それぞれの健康法がなかなかに興味深い▼今まで健康だっただけに、実は今回の体験はかなり新鮮だった。話題として若い世代に話してみるのだが、一様に反応が悪い。年配の方との盛り上がり方とは全く違う。かつての自分の反応と同じことなのだが、この立場の逆転は少々寂しいものを感じる。「若くていいねえ。何でもできるよ」と近いうちに言い出しそうだ▼健康のありがたさを実感したのはいいが、調子がよくなるにつれ、懲りもせず酒の機会が増えてきた。喉元過ぎても、自重しつつ今年を乗り切りたい。(剛)