ベネズエラ国内の反政府運動は収まる気配がなく、2日も首都カラカスで数千人規模のデモが行なわれた。2月から続く動乱を受け、ブラジルも大使を送り、ベネズエラ政府と対話を行う意向と3日付伯字紙が報じている。
ベネズエラでは先週末から4日までがカーニバル休日、5日は故チャベス氏の追悼式が行なわれるが、首都カラカスでは2日も数千人の反政府派が集まり、デモ行進を行なった。デモ隊は国旗や抗議の主張の紙を掲げ、タイヤを焼き、石を投げるなどの抗議を行ない、警備隊は催涙ガス弾で対抗した。このデモで17人が負傷した。また、ベネズエラメリダ州の州都メリダでもデモがあり、4人が負傷した。
デモは2月28日にも起きており、マドゥーロ大統領は野党連合の民主統一会議(MUD)リーダーであるエンリケ・カプリレス氏に和平のための対話を求めたが、2日のデモは反政府派がその対話の内容の透明性を求めて起こしたものだ。
反政府派は、2012年の大統領選候補で、2月からの抗議運動でリーダー的存在となったレオポルド・ロペス氏をはじめとする逮捕者の解放を求めている。ベネズエラの裁判所は1日に2月28日のデモの逮捕者41人を解放したが、非政府団体の「フォロ・ぺナル・ベネズエラノ」によると、2月9日からの逮捕者は863人で、今も30人の身柄が拘束されているという。同団体は警官による職権乱用や拷問33件を告発。抗議運動での死者は既に18人に及んでいる。
この事態を受け、ブラジルも4日にマルコ・アウレリオ・ガルシア氏を派遣し、チャベス氏への顕彰と共にマドゥーロ政権との対話を図る意向だ。ジウマ大統領は先週、「マドゥーロ氏と民衆の対話はあった方が望ましい」としながらも、ベネズエラ問題は「ウクライナほど危機的なものではない」と語っていた。
ベネズエラ=カーニバル期間中もデモ=抗議者との対話進まず
ニッケイ新聞 2014年3月4日