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ニッケイ新聞 2014年3月4日

 「ブラジルW杯日本人訪問サンパウロ支援委員会」は金曜の会見で、あくまで「ボランティア」だと強調し、「W杯期間中に、日本人訪問者が観戦ツアーを心おきなく楽しめるように〃出来る限りのことを行う〃が、無給ボランティアとして出来ることには限界がある」と理解を求めた。「無給だから限界がある」と言うのなら、〃出来る限りのことを行なう〃と強調する必要もないのでは―と素朴な疑問が湧く。3会場付近でこそ事件は起きやすいと事前に承知しており、なおかつ実際に起きた場合の責任は誰に? その時にも「無給だから限界があった」と言い逃れする伏線か…。まあしょせん観戦ツアーは個人旅行だから、自己責任には違いない。何も起きないことを心から祈るのみ。

     ◎

 日本アニメ界の巨匠、宮崎駿監督の最新作『風立ちぬ』(ポ語名「Vidas ao Vento」)の上映が、先月末からブラジルでも始まっている。飛行機作りに情熱をかけた、零戦の設計者・堀越二郎の半生を描いた力作で、宮崎氏は同作をもって引退を宣言している。さっそく近くの映画館に観に行ったがほぼ満席で、映画終了後には涙しているブラジル人観客も。いつもの空想的な宮崎作品とは趣が異なる、現実味溢れる大人向けの一作だ。戦争映画が好きな人にもお勧めか。