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CNBB=人身売買禁止でキャンペーン=フランシスコ法王も後押し

ニッケイ新聞 2014年3月7日

 ブラジル全国司教会議(CNBB)は5日、今年の友愛キャンペーンのテーマを「人身売買撲滅」にすることを発表した。6日付伯字紙が報じている。

 CNBBによると、このキャンペーンで言うところの人身売買には、子供の不法売買に加え、強制労働や性による搾取などが含まれる。

 CNBBが世界労働機関と共同で作成した資料によると、2012年には全世界で2090万人の人身売買の被害があり、そのうちの55%が女性や子供で、9%が中南米人であることがわかっている。

 このキャンペーンの発表イベントに参加したジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ法相は「実際の犯罪件数に比べ、人身売買の告発の数の割合はかなり少ない。それはこれらの犯罪が気がつかないうちに行われていることが多いからだ」と人身売買犯罪の秘密性の高さを指摘した。同法相はその対策として「社会がもっとこの問題を意識すること」をあげ、そうすれば必ず減らせる問題だとしている。

 フランシスコ法王はこのキャンペーンにメッセージを送り、「何人たりとも品物であるかのごとく、売り買いされてはならない。この問題を知っていて、みすみす看過するようなことがあってはならない」と語った。さらに「人の自由が否定された状況で、どうしてパスコアを気持ちよく迎えられようか」とブラジル国民に積極的にキャンペーンに参加するよう呼びかけた。

 また、CNBBのレオナルド・ステイネル司教は、サッカーのワールドドカップやオリンピックという世界的な大イベントのある時期に、子供の強制労働などの人身売買が行われやすくなることへの強い危惧を示した。

 レオナルド司教によると、今回のキャンペーンの主な目的は募金であり、募金は全国連帯基金に寄付されるという。