ドル高レアル安、国内総生産(GDP)の伸びは2・3%など、お世辞にも景気好調とはいえないブラジルだが、米国のフォーブス誌が3日に発表した世界長者番付2014年版で個人資産が10億ドルを超える億万長者の数は、46人から65人に躍進した。
もちろん、米国の462人や中国の152人などに比べれば多いとはいえない数だが、10年前に億万長者の数はわずか6人だった事や、GDPが2・3%しか伸びない中で、46人から65人へと41%も伸びた事は、特筆に価する。
億万長者の数が増えたのは、所有する会社が株式を公開したり、手持ちの株を売却したりしたためだという。
億万長者のリストに新しく加わった一人は、世界ランキング931位となったカーザス・バイアスの創立者の息子のミシャエル・クレイン氏だ。2013年12月にカーザス・バイアスを運営するVia Varejoの持ち株を手放し、20億レアルを手にした同氏の資産は19億ドルとされている。
バイク製造で世界的に知られるWegの創立者であるエゴン・ジョアン・ダ・シウヴァ氏とウェルネル・リガルド・ヴォイト氏、並びにジェラウド・ウェルニングハウス氏の未亡人のリリアン・ウェルニングハウス氏は、資産額13億ドルとして仲良く1284位に名を連ねた。13年末のWeg社の評価額は、2012年末の160億レアルから200億レアルに伸びている。
その他に新しくランキング入りしたのは、レデ・ドル(Rede D’Or)創立者のジョルジェ・モル・フィーリョ氏(資産額13億ドル、1284位)や、化粧品のボチカリオ社長のミゲル・クリグスネル氏(資産額27億ドル、642位)語学学校Wizard創立者で13年12月に同グループを英国のPearsonに約20億レアルで売ったカルロス・マルチンス(資産額10億ドル、1565位)らだ。
ブラジルでただ一人、50位以内に入ったのは、スイス系2世で、乳製品の会社Leco創立者の息子、飲料メーカーAmBevの共同経営者の一人でもあるジョルジェ・パウロ・レマン氏(資産額197億ドル、34位)だ。
2008年から長者番付に名を連ねていたエイケ・バチスタ氏や、Marfrigのマルコス・モリナ氏、シウヴィオ・サントス氏は、今回の長者番付からは姿を消している。(4日付エスタード紙、フォーリャ紙などより)