6日に行われたサッカーのサンパウロ州選手権サントス対モジ・ミリン戦で、モジ・ミリン応援団が人種差別的な行動をとり、同州サッカー連盟(FPF)のスポーツ裁判所が7日にモジ・ミリンのホームスタジアムであるロミウド・フェレイラの使用を禁じた。
スポーツ裁判所が問題としたのは、5対2の大差でサントスが快勝した試合で、サントスのアロウカ選手が見事なシュートを決めた後、モジ・ミリンの応援団が同選手を「サル(マカッコ)」と野次った事だ。審判団は何の措置も講じなかったが、この事実はラジオESPNが報じており、FPFスポーツ裁判所が調査の結果、人種差別的な行為を是正するための具体的な措置が講じられるまで、モジ・ミリンのホームスタジオの使用を禁じる判決を下した。
アロウカ選手は7日、「自分がアフリカ系の血を引いている事を誇りに思う」が「人種差別は悲しい出来事」とコメントした。同選手の母親は同日、リベルタドーレス杯に参加したクルゼイロのチンガ選手がペルー人応援団からサルの声や動きを真似るという形で人種差別を受けた時から、アロウカ選手も同様の差別を受ける事を予測していたと語り、「人種差別は決してなくならない」と嘆いた。
FPFのマルコ・デル・ネロ会長は人種差別的な行為があった事を知った途端、スポーツ裁判所で扱うと発言していたが、モジ・ミリン側は判決に際し弁明の機会さえ与えてもらえなかった事を不満とし、上告する構えを見せている。
なお、応援団による人種差別は選手に対するものだけではない。リオ・グランデ・ド・スル州では5日夜、同州選手権のエスポルチヴォ対ヴェラノポリス戦で審判を務めたマルシオ・シャガス・ダ・シウヴァ氏(37)は、「いたずらなサル」「原始林に帰れ」といった野次を浴びた。同氏によれば、駐車場に停めてあった車には蹴飛ばしたり引っかいたりしたキズがあり、車のボンネットの上には2本のバナナが置かれていたという。
同件については、同州サッカー連盟のスポーツ裁判所が調査中で、責任者が判明し次第、エスポルチヴォにも罰金や減点といた措置を科す予定だという。(7日付G1サイト、R7サイト、8日付エスタード紙などより)