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国内の車4540万台に達す=4・4人に車が1台=渋滞悪化には国内事情も=バイク利用10年で3倍に

ニッケイ新聞 2014年3月11日
マルジナル・ド・チエテを利用しようとセントロに向かう車で混む休日前日のサンパウロ市5月23日大通り(Fotos Publicas)

マルジナル・ド・チエテを利用しようとセントロに向かう車で混む休日前日のサンパウロ市5月23日大通り(Fotos
Publicas)

ブラジル内の車の走行台数は止まるところを知らず、2013年には総計4540万台、4・4人に1台の割で車を所有するようになったと10日付G1サイトが報じた。

昨年の車保有率は各州交通局(Detran)の登録台数と地理統計院(IBGE)の人口統計から算出されたもので、2003年の7・4人に1台という数字と比較すると、車が急増している事が窺われる。

昨年中、全国5570市の中で車の数が減ったのはわずか19市で、車が1台も登録されていない市はアクレ州ポルト・ワルテルのみだった。

車の保有率が最も高いのは人口15万6千人に対し9万9千台の車があるサンパウロ州ABC地区のサンカエタノ・ド・スルで、平均すると3人に付き2台の車がある計算だ。

同市の車保有率の高さは一人当たりの所得の高さなどが原因で、同市の人間開発指数は全国一高い。ABC地区は国内有数の自動車生産地で、車好きの人も多い。

ただ、車の急増に追いつかないのが道路や駐車場の拡張整備で、車の走行量に応じて切り替えの時間を変える事が出来る信号機の設置や一方通行の道を増やすなどの手段を講じても、ラッシュ時の渋滞は避け難く、市民や当局の頭痛の種だ。

サンパウロ・カトリック大学のラディスラウ・ドウドル教授によると、「車の保有率がブラジルより高くても渋滞がない国もある。ブラジルの渋滞は、車の数ではなく、公共交通整備をないがしろにした政策によるものだ」という。同教授はサンパウロ市を例に挙げ、「買い物や夜のレジャーのために出かけるだけなら大渋滞は起きないが、650万台もの車が毎日、同じ時間、同じ方向に向かって乗り出せば渋滞が起きるのは当然だ」と説明している。

同教授は、温室効果ガス排出量や移動時の経費は、汚染物質の少ない燃料を使う、自転車専用道やレーンを増設して電気式も含む自転車の使用を増やすといった方法で激減すると提案している。

この提案実行で、車より自転車が多いのは、人口22万2千人で自転車専用道13キロ、同レーン12キロがあるサンパウロ州インダイアツーバだ。9日付フォーリャ紙によれば、同市での自転車保有台数は無料貸し出し用200台を含め、少なくとも13万台。車は9万4千台で、国内でも有数の健康や環境に配慮した町となっている。

ブラジルでは、車より安くて渋滞や駐車場不足の問題にも対応が容易なバイクの利用も急増中だ。国内を走行するバイクの総数は1800万台で、11人に1台の割で利用されている。この数は、33人に付き1台だった03年の3倍に当たる。

バイク普及率が最も高いのは、1万6千人の住民に対し6100台のバイクを保有するセアラ州ペレイロだ。サンパウロ州などへの出稼ぎ者がサトウキビ収穫などで金を稼ぐと、最初にするのはロバや馬に代わる乗り物としてのバイク購入。保有率は5人に付き2台に及ぶ。