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北部や中西部の地価上昇=新たな輸送ルート開発見込み

ニッケイ新聞 2014年3月12日

 従来は農産物を収穫してもサントス港やパラナグア港に運ぶのが大変で地価が安かった北部や中西部の農地価格が、北部からの輸出を見込んで上昇中と10日付エスタード紙が報じた。

 大豆生産全国一のマット・グロッソ州では、2千キロ以上離れたサントスやパラナグアに送るより、国道163号線でパラー州サンタレンまで行き、水路で搬送、輸出した方が経費も時間も節約できる。同州とパラー州ミリチツーバ間の182キロは未舗装だが、来年は舗装も完成。同市の船着場からタパジョス川経由でサンタレンまでの水運も可能だ。

 道路や鉄道、港などのインフラ整備で物流改善の見通しが出てきた事に反応した農地価格は、13年1~12月に全国平均で15%上昇。北部や中西部は24・3%と17・8%と断トツだ。

 サンタレンでは、13年1月は2576レアルだったヘクタール当たりの価格が12月は3900レアルと51%上昇。ピアウイ州ウルスイでも24%、トカンチンス州ポルト・アフォンソでも23%上昇した。

 北部や中西部の地価高騰は、北部からの輸出が可能になれば輸送経費が34%節約でき、他国の産物との価格競争力も向上するからだが、南部の地価が16・9%上がったのは農用地拡大が困難なため。北東部の地価は平均並みの14・6%上昇。サトウキビ栽培などで問題があった南東部の地価は、10・8%の上昇に止まった。