ニッケイ新聞 2014年3月13日
大竹富江インスティチュートで矢柳剛氏との合同展『Opa! 陽気な黙示録』を開催中のデザイナー、コシノ・ジュンコさんプロデュースによる日伯交流企画「かたつむりアート」が7日、同施設で実施された。
「かたつむりアート」とは、芸術家の矢柳さんがデザインした、中央をつまんで持ち上げるとカタツムリのようならせん状になる円形状の画用紙に、子どもらが思い思いに絵を描いたもの。
同施設では16日まで、東日本大震災の被災地の子どもたちや在日ブラジル人学校の生徒が描いた色とりどりの「かたつむりアート」約3千点が展示されている。
今回は、サンパウロ市の学校に通う生徒約30人が集まり、同インスティチュートの職員から震災や津波について話を聞きながら会場を見学した後、被災者への追悼の思いをこめて絵を描いた。
子どもたちは、当日見学や取材に訪れた日本人に日本語の単語を教わりながら、「愛」「平和」などのメッセージも書き込んでいた。イングリオ・ボルゲスさん(10)は、「津波のことを聞いたのは、これが初めて。家族をなくすなんてすごく悲しいことだと思う」と話した。
なお、同イベントは赤間学院でも幼稚園生230人を対象に実施され、計300点が日本へ送られる。合同展終了後、現在展示中の作品も含めた約3300点が今年7月、東京都港区の伊藤忠青山アートスクエアで展示される。
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合同展および「かたつむりアート」展は、今月16日(午前11時~午後8時)まで同インスティチュート(Av. Faria Lima, 201, Pinheiros)で開催中。