ニッケイ新聞 2014年3月13日
週末のレストラン巡りが日々の楽しみだ。初めての店での意外な驚きや感動は、一種冒険のような〃味わい〃がある。先週末は、サンパウロ市モエマ区で見つけたパダリアに突撃。26レアルの高級ロースビッフェ・ランシに好奇心がそそられ頼んでみたら、味も大きさもごく普通のが出てきてショックを受けた。値段からして「通常の2倍のサイズはあるはず」と決めてかかったのが甘かった▼値段がサービスに見合うかどうかは、外食の大きなポイントだ。近年の外食費の高さを差し引いても、前述の店のように値段と味が比例しないことは結構ある。ヴェージャ誌が「サンパウロ市内の優秀店」と宣伝していたフェイジョアーダの〃老舗〃に行ったら、量こそ多かったが、味はごく普通で、一人120レもする理由が何も見つからずガッカリ。円に換算すれば5200円であり、日本ならけっこうなご馳走が食べられる。そんな値段と質のミスマッチは予測困難、食べてみないとわからない▼久しぶりに行った贔屓の店の味が落ちていて、悲しい思いをしたこともある。なのになぜか価格は上がり、客は増えていた…。「二度と行くまい」と思ったほどヒドイ同区の日本食店が大繁盛していて目を疑ったこともある。日本で育ったコラム子との味覚の違いなのか、大して名が知れていない店の方が意外と美味しかったりする。とにかく当地のランキングの類は参考にならない▼そんなわけで、昨年末から本紙で不定期に「忍者ぐるめ隊」コーナーが始まった。〃個人の立場〃で勝手な評価を下すお遊びの欄だが、広告費をもらわない代わりに正直な評価ができる。皆さんの食の冒険の参考になれば幸いだ。(阿)