ニッケイ新聞 2014年3月15日
ブラジルの大学のトロッチは、上級生が新入生に絵の具を塗る、泥の中で泳がせるといったものが多いが、サンパウロ州ソロカバのサンカルロス連邦大学では癌患者のために髪の毛を寄付するよう求め、新入生が喜んで参加と14日付G1サイトが報じた。
40センチ以上の長髪をすっかり刈り取ったのは、教育学専攻のカリオペ・コルドヴィアさん(20)だ。丸刈りの頭を苦にもせず、刈り取った髪の毛をにこやかに掲げてみせたカリオペさんは「強い気持ちに迫られて決心した。この髪の毛を受け取った人が笑顔と勇気を持ってくれれば」と語り、「後悔はしていない」と明言した。
癌患者への髪の毛寄付の提唱者は教育学専攻のパトリシア・アラウジョさん(24)で、「こんなに大勢の人が応じるなんて思っていなかった」という。このトロッチはネットのSNSでも知れ渡り、学外からも協力者が現れている。
その一例は、サンパウロ州サンロッケの少女が髪の毛を寄付したという記事を見て、自分も学生達に協力をと決意したラリッサ・タンジさんとその友人のガブリエラ・ロドリゲスさん、アストリッジ・ジャヤジさんだ。
ラリッサさん達は30センチほどあった髪の毛を短く切ってもらい、笑顔で寄付。寄付された髪の毛は美容院などで処理した上でカツラに加工され、治療中の癌患者らの手元に届けられる。