ブラジリアで17日、10月の統一選挙に出馬する閣僚の後任となる6人の新大臣の就任式が行なわれた。現在、労働者党(PT)政権との連立見直しを求める内紛が起きている民主運動党(PMDB)からは2人が選ばれた。連邦政府は、PMDBのエドゥアルド・クーニャ下院リーダーが下院で組んだ連邦政府反対勢力「ブロコン」の解体を目指している。14日付伯字紙や17日付伯字紙サイトが報じている。
今回、新たに就任した6人の大臣は、都市相にジルベルト・オッチ氏(進歩党・PP)、農業開発相にミゲル・ロセット氏(PT)、観光相にヴィニシウス・ノブレ・ラジェス氏(PMDB)、農相にネリ・ジェレール氏(PMDB)、水産相にエドゥアルド・ロペス氏(ブラジル共和党・PRB)、科学技術相にクレーリオ・カンポリーナ・ジニズ氏(無所属)となっている。
今回の人選は、クレーリオ科学技術相がミナス・ジェライス連邦大学(UFMG)の学長であること以外はさして意外性はなく、それぞれ前任大臣の所属政党から新任大臣が継承する形で選ばれている。
今回のPMDB党員の人事をめぐってはジウマ大統領の本意ではない側面もある。大統領は当初、観光相にミナス・ジェライス州オウロ・プレット市の元市長であるアンジェロ・オズワルド・デ・アラウージョ・サントス氏の就任を望んでいたが、PMDBの下院議員からの強い反対があったことと、同氏が訴訟を抱えていたことで断念せざるを得なくなり、代わりにレナン・カリェイロス上院議長が懇意にしている、零細・小企業支援サービス機関(SEBRAE)の国際顧問のラジェス氏を選んだという過程があった。
だが、今回の人事でもブロコン側が主張している「PMDBから5人の大臣を」との要求が満たされたわけではない。ブロコンとしては、ブラジル社会党(PSB)が連立与党を離脱したことで空いた全国統合相にヴィタル・ド・レゴ上議を指名するよう求めているが、この座は昨年結党が承認され、連立与党に参加したばかりの社会秩序共和党(PROS)にわたると見られている。
また、今回の人事では、PPにも手を焼いた。それは同党の下院の多くの不満分子たちがブロコンに参加していたからで、オッチ氏の名前が正式に指名されたのは、大統領がアローイジオ・メルカダンテ官房長官らと会談した11日とかなり差し迫っていた。
PMDBのヴァルジール・ラウプ党首は「PMDBはあくまで連立与党である」として、ブロコンの解体に乗り出すとしている。同党首もPTとの連立に疑問を呈していた時期があったが翻意している。
クーニャ下院リーダーは17日、ブラジリアで連邦政府側の代表と会談を持った。