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資金洗浄で大規模捜査=初日に容疑者24人逮捕

ニッケイ新聞 2014年3月19日

 17日、連邦警察が6州と連邦直轄区を対象に組織犯罪的なマネーロンダリング(資金洗浄)摘発のための「ラヴァ・ジャット作戦」を実施、24人を逮捕、家宅捜査など、81件の捜査も行なわれた。18日付伯字紙などが報じている。

 同作戦の捜査は2013年からはじまり、総額100億レアルにのぼる不正が行なわれたとみられている。マネーロンダリングを司令した主犯格と見られるパラナ州ロンドリーナ在住の為替業者アルベルト・ユセフ容疑者は同日、マラニョン州で逮捕された。捜査はパラナ州はじめ、サンパウロ州、南大河州、サンタカタリーナ州、リオ州、マット・グロッソ州、連邦直轄区まで及んでいる。

 捜査の規模が大きかったのは連邦直轄区で、32人の容疑者の捜査に乗り出し、3人を逮捕した。その中の1人で企業家のカルロス・ハビブ・シャテル容疑者は主犯格と見られている。同容疑者は2005年からブラジルで起こった八つの大型マネーロンダリングの主犯と目されている。

 また、シャテル容疑者と共に逮捕された2人の容疑者の車の中からは、銃やコカインが発見された。また、連邦直轄区内のガソリン・スタンドから、闇為替に関しての資料が発見され、これもシャテル容疑者に絡んだものではないかとして調査が進められている。

 サンパウロ州では、メンサロン事件でも告発されたエニヴァウド・クアドラード容疑者が逮捕された。同容疑者はメンサロン裁判でマネーロンダリングに加担したとして、社会奉仕の判決を受けている。

 これらの捜査の結果、連警は17日のうちに全国で計24人を逮捕し、15人から事情聴取を行なったほか、計500万レアルの現金、25台の高級車、宝石、芸術作品などを押収し、ホテル3軒を差し押さえた。

 17日に逮捕されたのはいずれも複数の犯罪への関与が疑われる闇為替市場の大物などで、全員がパラナ州クリチバの連警に送られて取調べを受ける。逮捕者はこの後も増加する見込みだ。