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ボリショイからMITへ=新しい夢に挑むラウラさん

ニッケイ新聞 2014年3月20日

サンタカタリーナ州ジョインヴィーレにあるボリショイバレー団直属の養成校生ラウラ・ロペス・ララさん(17)が、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)で学ぶ事になった。

ジョインヴィーレの学校はロシアにあるボリショイバレー団が国外に持つ唯一の養成校で、生徒達は現在、オーストリアで公演旅行中だ。

ミナス・ジェライス州生まれ、両親と姉妹の4人家族でリオデジャネイロ州に住んでいたラウラさんは、ボリショイで学ぶために2011年に母親と共にジョインヴィーレに移った。MIT合格の知らせは旅先で受け取り、ボリショイ以上に大きかった外国で工学を勉強するという夢の実現に踏み出す。

ラウラさんは数学や物理の国際オリンピックなどへの参加経験もなく、MITに合格出来るとは思ってもいなかった。

合格通知を受け取った時には驚きのあまり泣き出したというラウラさんだが、中途半端な事が嫌いな性格がバレーにも勉学にも影響を与えたのだろう。学業とバレーを両立させるために一週間に7時間しか眠らなかった週もあったというが、友人と出かけたり、テレビを観たりするのが好きでピッツァも食べるというラウラさんを悪く言う友人はいない。

MITの授業は8月から始まるが、ラウラさんはバレーの衣装やシューズも米国に持参し、大学の中か近くの教室でバレーを続けたいと思っている。現在考えている履修コースはロボット工学で、バレーでの経験を活かし、人間同様の滑らかな動きが出来るロボットを作りたいという。

MITに合格したブラジル人学生はラウラさんの他に、リオデジャネイロ市南部ボタフォゴ在住のペドロ・フランセスキさん(17)とサンパウロ市在住のロゴリド・サンチェス・アンジェロさん(18)の2人がいるが、この2人はハーバードなど、今月一杯に出揃う他の大学の受験結果が出るのを待って進路を決めるという。

ペドロさんは8~9歳でコンピューターのプログラミングを始め、12歳の時には通信技術の会社で働き、16歳で自分の会社を立て上げたという人物だ。

ロゴリドさんは14歳の時から数学や物理のオリンピックに参加しており、オリンピック参加がきっかけで、米国で勉強する事を望み始めたという。12年にアルゼンチンで開催された数学オリンピック国際大会で金メダル、13年のコロンビアでの数学オリンピック国際大会でも銀メダルを獲得。サンパウロ総合大学のコンピューター科学のコースにも合格しているが本命はやはり米国で、他の大学の結果も見て行き先を決めるという。

MITにはその他に2人、ブラジル人の補欠合格者がいるという。(18日付G1サイト、フォトス・ブリコスなどより)