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サントス旧街道で移民偲ぶ=歩こう会、笑顔でテクテク

ニッケイ新聞 2014年3月20日
途中までは、ガイドの詳しい説明がつく

途中までは、ガイドの詳しい説明がつく

リベルダーデ歩こう会(高木ラウル会長)が16日、サントス旧街道、別名「カミーニョ・ド・マール」(海の道)へウォーキング・ツアーを開催し、44人が参加した。同ツアーの開催は05年に始まり、今回で7回目。晴天に恵まれた同日、移民の歴史をしのびながら9・2キロの街道を下った。

サントスとサンパウロ市をつなぐ同街道はセーラ・ド・マール州立公園内に位置しており、右手は絶景、左手は大西洋岸林の自然がそびえたつ。1844年に開通し、物流の要所としてサンパウロ市の発展を支えた。1913年に石畳、25年に南米で初めてコンクリート舗装され、2004年からは観光地としてにぎわっている。11年3月、雨による土砂崩れで閉鎖されたが、昨年12月に整備され再オープンした。

開場までの待ち時間、ラジオ体操協会に所属して20年になるアラブ系二世のソニア・ジブさんの指揮で、皆で準備体操。続いて現在、同道の運営を担うサンパウロ州立エネルギー開発会社(EMAE)のガイドの案内を受け、1792年に砂糖の運搬のため開通した旧道カウサーダ・ド・ロレーナや、サンヴィセンチ市が一望できるポウゾ・パラナピアカーバ、休憩所ランショ・ダ・マイオリダーデなど、道中に点在する歴史的文化遺産と自然を愛でながら散策した。

今回の参加者の最高齢は、男性が91歳の大畑昌さん、女性は86歳の浦林敦子さんで、二人とも若者に負けない歩きっぷりを見せていた。

「若いころからカミニャーダ(ハイキング)がすき」という小池みさ子さん(76、長野)は、「80歳以上の人が沢山いたけど、皆歩くのが早くて元気」と刺激を受けた様子。「子どもの頃に移住した時この道を通ったって両親から聞いた」と懐かしむ声も。

クバトン市到着後、サントス厚生ホームで昼食をとり、入居者とカラオケ大会で親睦のひと時を過ごし、帰路についた。