パラー州南西部のイタイトゥーバからジャカレアカンガに向かう双発機が18日1時頃に消息を絶ち、空軍や軍警などが行方を捜索している。19日付各紙電子版や20日付伯字紙が報じた。
ムンドゥルクーと呼ばれる先住民部落で働く医療スタッフと交替勤務に入る保健省先住民保健特別局の看護師3人と、車の運転手、操縦士の計5人を乗せたジョタン・タクシー・アエレオ社の小型機は、18日午前11時40分にイタイトゥーバを飛び立った。この日は悪天候で、小型機も雨や風に悩まされる中でエンジンが停止し、アマゾンの密林に飲み込まれてしまったようだ。
この様子は、看護師のライリーネ・カンポスさんが同州サンタレンに住む伯父のルベリオ・サントスさんに送った携帯電話のSMS(ショートメッセージサービス)から伝わってくる。
ライリーネさんは12時47分と48分の2度SMSを送信。SMSには、「悪天候でエンジンが片方止まってしまいました。母さんに皆を愛していると伝えて下さい。どうしていいかわからない。パニック状態です。状況が好転したら連絡します。ジャカレアカンガはもうすぐです。祈って下さい。でも伯母さんにはまだ伝えないで」「エンジンが止まってしまいました。伯父さん、助けて」と書かれていた。
ルベリオさんは12時53分に「何か知らせろ」というSMSを送信し、電話もかけたが繋がらず、空港インフラ業務公社に連絡したという。
空軍によると、小型機の通信は12時53分を最後に途絶え、レーダーの軌跡もジャカレアカンガの北東29キロ付近で消えているという。
小型機の捜索は即座に開始されたが、雨の切れ間には霧も発生するなどの悪天候に阻まれ、20日朝の時点でも手がかりは見つかっていない。
空軍関係者は、飛行機が炎上した時は周辺に空間が出来るため比較的発見しやすいが、そうでない場合は密林に飲み込まれ、捜索が困難になると言う。現場には軍機2機と軍警ヘリ1機、ジョタン・タクシー・アエレオの小型機2機が出動し、1165平方キロに及ぶ区域を区分けしながら捜索を続けている。
ライリーネさんは、先住民地区で20日働いては伯父の家に20日泊まるという生活を送っていた。母親は州西部に住んでおり、姉は19日にイタイトゥーバに飛んだ。
ライリーネさん以外の同乗者は、ルイス・フェウトリン(操縦士)、アリ・リーマ(運転手)、ルシネイ・アギアル・デ・ソウザ、ライムンダ・ルシア・ダ・シウヴァ・コスタ(看護師)の各氏となっている。