2013年の基礎的財政収支黒字額は国内総生産(GDP)の1・9%に相当する750億だったが、20%強の161億レアルは昨年中に支払われるべき基金の資金だったと24日付エスタード紙が報じた。
公的機関の歳入と歳出の差である基礎的財政収支は公的負債に対する利子の支払いに当てられるもので、本来はGDPの3・1%が目標とされていた。ところが、近年はこの目標値が年度の途中で変わる事が多く、13年も年頭の目標値が途中で引き下げられ、最終的には政府目標達成との報告がなされた。
ギド・マンテガ財相は1月20日、今年の基礎的収支黒字目標は昨年の実績と同じGDPの1・9%と発表したが、エスタード紙によると、昨年の実績は、各種基金の支払い先延ばし分を20%余り含んでいたという。
基礎的収支黒字に含まれていた用途指定の基金からの未払い分は、公立の小中学校向けの基金165億レアル中13億レアル、運営権譲渡や許可などの基金190億レアル中67億レアル、国産映画開発、製作基金8億1千万レアル中6億7千万レアルなどで、勤続年限補償基金(FGTS)の様に29億レアル全額がそのまま基礎収支に残されたものもあった。これらの基金では、年間の収入511億1千万レアルの内、161億レアル分の支払いが今年に繰り越された事になる。
基礎収支黒字額はジウマ政権となってからの3年間も目標達成と言われてきたが、実際は、目標値の変更と、払い出すべき資金の未払い、外貨準備高の取り崩し、国が所有していたペトロブラス株売却など、様々な形の帳尻合わせの結果としての目標達成だった。
エスタード紙の報じた内容はこういった帳尻合わせの一端で、2月28日に中銀発表の1月の基礎収支黒字額は、先延ばしされた支払い集中などで、昨年同月比50・7%減、ここ4年間で最低の199億2100万レアルで終わり、負債分の利子支払いに必要だった304億レアルには到底届かなかった。
中でも、連邦政府や中銀、国立社会保険院(INSS)、公社など、中央財政の黒字額は昨年1月比51・8%減の125億4900万レアル。国庫からの払い出しを受けた地方財政は同71・9%増の72億4100万レアルの黒字で、中央の落ち込みが大きい。
この落ち込みは、通常の経費などの支払いの他に、人件費や労働者支援基金を含む未払い金や、滞納税金徴収分中の地方還元分などの支払いが重なったためで、市場関係者を驚かせたが、財務省関係者らは、支払いを意図的に遅らせたりしてはいないと弁明している。