国家法務審議会(CNJ)が24日、養子縁組希望者の全国統一台帳に国外在住のブラジル人や外国人も登録する事を認めたと24日付アジェンシア・ブラジルや25日付エスタード紙などが報じた。
ブラジルでは、養子縁組を希望する人はCNAと呼ばれる全国統一の台帳に登録する事が前提で、これまでは国内在住者にしか登録が認められていなかった。それでも、CNAに登録されている養子縁組希望者は3万424人(組)で、養子縁組を待つ0~17歳の子供の5440人(男子3081人、女子2359人)よりはるかに多い。
だが、養子縁組希望者が孤児らの数を大きく上回っていても、実際の養子縁組は容易ではない。これは、養子縁組を希望する人の9割は5歳以下の子供を希望しているからだ。ところが、養子縁組を待つ子供5440人中、5歳以下の子供は386人。7歳以下を希望する人は95%いるが、7歳以下の子供も1割以下だ。
一方、養子縁組の希望が少ない16~17歳の子供は16歳628人と17歳567人で計1195人。養子縁組の可否を左右する要因は年齢や(人種)等で、養子縁組を待つ子供の2588人(47・57%)はパルド(黒人との混血)。以下、白人1762人(32・41%)、黒人1033人(18・99%)、先住民31人(0・57%)、黄色系25人(0・46%)となっている。
これに対し、養子縁組を希望する人の側は、白人のみを希望が8995人(29・57%)、黒人のみを希望が511人(1・68%)、先住民のみを希望は206人(0・68%)など、希望内容と子供達の実態には偏りがある。
更に、肉体的または精神的な障害や特別な病気を持っている場合も縁組が困難だ。養子をもらうなら1人だけという希望者も多い一方、養子縁組を待つ子供の75%には兄弟がいる。養子縁組が最もまとまりやすいのは白人で年少の女の子の場合だという。
このような実態を踏まえてCNJが認めたのが国外在住のブラジル人や外国人の希望者台帳登録だ。これは、国外在住者なら国内とは異なった基準で養子縁組を希望する人がいる可能性があると考えたからで、従来は裁判所などに個別登録されていたために隠れた存在となっていた外国在住者が統一台帳に登録されれば、年長者や兄弟揃っての養子縁組実現の可能性も高くなると見られている。
養子縁組を待つ子供が最も多いのはサンパウロ州の1341人で、以下、南大河州702人、ミナス州66人、パラナ州667人などとなっている。