ニッケイ新聞 2014年3月28日
サンパウロ総合大学(USP)サンカルロス校の研究班がデング熱感染の有無を判定する方法を大幅に改善し、わずか20分間で診断が可能になった。
判定には、患者の血液に血液凝固防止剤を加えて遠心分離機にかけ、赤血球などの細胞成分を除いた血漿と、デング熱ウイルスによって除去されるたんぱく質を使って製造したNS1と呼ばれる抗体を使う。
血漿と抗体を専用の計器にかけると、デング熱に感染していない場合は電圧に変化が見られないが、感染者の場合は電圧が急速に低下するため、感染の有無が容易に判定出来る。
従来の検査方法は、発症から7日以上たった人から取った検体を使用する上、判定に3~7日かかるため、感染が確認された時点は症状が悪化している事も多かったが、新しい方法は発症から3日経てば検査が可能で、判定結果もわずかな時間で確認出来る。
人の血液を使ったテストもすでに行なわれており、検査機器も、サンパウロ州サンジョゼ・ド・リオ・プレットにある生物科学を専門とする企業で、100レアル程度で製造出来る見込みだ。
USPでは、従来の方法より迅速かつ廉価で判定出来るため、特定の研究所に送ったりせず、公的な医療機関で判定する事も可能だという。迅速な判定は重症化する前に治療を行うために不可欠な要素で、患者の苦しみを軽減する意味でも、一刻も早い実用化が望まれる。(26日付G1サイトより)