「民主社会党(PSDB)のメンサロン」とも呼ばれている、エドゥアルド・アゼレード元ミナス・ジェライス州知事(65)の1998年の知事選挙での汚職疑惑に関する裁判が地方裁判所からはじまることが27日に決まった。これにより、刑が確定するまでに時間を要すことになり、時効となる可能性も出てきた。28日付伯字紙が報じた。
350万レアルの公金横領とマネー・ロンダリングが疑われているアゼレード氏の裁判に関し27日、最高裁は裁判をどこから行なうかの投票を行い、その結果、8対1の大差でミナス・ジェライス州地裁からはじまることとなった。
今回のこの決定は、アゼレード氏が2月に下院議員を辞職したために起こったことだ。ブラジルの場合、連邦議員の裁判は最高裁で行なうことが義務付けられているが、辞職した場合はそれが適用されないからだ。
2012年のメンサロン裁判の場合、元官房長官のジョゼ・ジルセウ氏は2005年に官房長官を辞任して以来、政治的な役職には就いていなかったため、現職議員らとは切り離し、分離裁判とするよう申し入れた。だが、最高裁は分離裁判は好ましくないと判断し、被告全員を最高裁で裁くことになった。
今回のメンサロン・ミネイロの場合、ミナス・ジェライス州という特定の州で起きた事件であったことと、容疑をかけられている容疑者に最高裁での審議開始の法的な義務がなかったため、地裁からの裁判開始との判断となった。
アゼレード氏の議員辞任に関して、当初、報告官のルイス・アルベルト・バローゾ判事とディアス・トフォリ判事は「最高裁からの審議開始を避けるためでは」と疑ったが、意図的な辞任であるとする決定的な根拠がなく、ジョアキン・バルボーザ長官以外の判事が「地裁から」の判断を下した。
2月に下院罷免となったことで話題となったナタン・ドナドン氏の場合は、2010年10月の公判前日に下議辞職を申し出たが、このときは認められていない。
また、メンサロン・ミネイロが地裁からはじまることにより、事件そのものが時効となる可能性がでてきた。それは、アゼレード氏が2018年9月で70歳を迎えるためだ。ブラジルの刑法では、70歳までに刑が確定しない容疑は時効となる。仮に18年9月までに確定した場合、容疑は2025年12月まで有効となる。
アゼレード氏に対する審議が他の9人の被告同様に地方裁判所からはじまることで、10月に行なわれる選挙でのPSDBへの悪影響は軽減されることになりそうだ。今回のこの決定を受けてPT陣営は「最高裁判断は妥当」としたが、「なぜジルセウや連邦議員以外の被告には下級裁判所での裁判開始が認められなかったのか」と不満を述べている。12年のメンサロン裁判は、同年10月の統一地方選挙と時期が重なっていた。