ニッケイ新聞 2014年4月2日
【共同】日本航空の大西賢会長(58)は31日までに、ブラジルのサンパウロで共同通信のインタビューに応じ、経営破綻後の再建策により2010年に廃止した成田―サンパウロ線について「飛ばしたい気持ちが非常に強い」と語り、十分な需要が見込めれば復活させたいとの意向を明らかにした。
ブラジルは16年リオデジャネイロ五輪を控えて経済成長への期待が高まっており、ホンダなどの自動車メーカーが新工場を相次いで建設。地元での日系人社会からの路線復活要望も強い中で検討を進める姿勢を示した。
サンパウロ線を復活させる場合はニューヨーク経由を想定。成田―ニューヨーク線のうち、燃費性能が優れた中型機ボーイング787を使った便をサンパウロへ延伸するとの見通しを示した。
需要動向を把握するため、同じ航空連合「ワンワールド」に加盟するTAM航空(ブラジル)のニューヨーク―サンパウロ線で、日航の便名を付与して一部座席を販売するコードシェア(共同運航)を今後実施する方針。大西会長は「ブラジル市場をより知ることができ、次のステップで自社便を運航するかを判断する」と語った。
日航が提携する米アメリカン航空の中南米路線が多く発着する米ダラス・フォートワース国際空港(テキサス州)と羽田を結ぶ路線の開設にも「非常に興味があり、有力候補の一つだ」と意欲を示した。