ニッケイ新聞 2014年4月2日
W杯で日本戦があるたびに当地TV局から「日系人が集まって応援する場所はないか」との問い合わせがあり、「ないね」と答えるとガッカリする。ところが最近、韓国コロニアなどは若い人が民族服まで来て熱心に応援する光景が放送される▼今回は地元開催だけに、一般国民と一緒になってW杯を盛り上げる役割が、各国コロニアに期待されている。県連日本祭り会場では、ぜひ盛大にブラジル代表戦の観戦会をして盛り上がり、日系社会の存在をアピールしてほしい▼世界最大の日系集団地として、サンパウロ市及び各地で日本代表戦の観戦会をすることは最低限すべき役割だろう。県人会サロンに投影機を用意して観戦を呼びかければ十分ではないか▼あとイトゥーで合宿する日本代表の歓迎会をする案が、聖南西連盟で出ているのは素晴らしい。選手本人はムリでも監督やサッカー協会関係者を招いて、地元ブラジル人と一緒になって親日的な歓迎会をして「ホーム」(自陣)の雰囲気を演出し、本来の実力を発揮して過去最高の成績を残せるように支援したい▼「コロニア名産品」を合宿所に無償提供し、メニューに加えてもらうのも一興だ。ピラールやピエダーデのブドウや柿等、モジやスザノの新鮮野菜、サンジョアキンのリンゴや葡萄酒、ラモスの和梨、トメアスーのアサイなど熱帯果実ジュース、バストスの卵、グアタパラーの味噌やレンコン、アリアンサのパイナップルやマモンの漬物、レジストロのもち米や天谷茶など数え切れない▼アチバイアやアルジャーの蘭等の花で合宿所を飾るのも良い。世界広しといえど、そんなことができる国は他にはない。それがコロニアの〃持ち味〃だ。(深)