ニッケイ新聞 2014年4月3日
アマパー州ラランジャル・ド・ジャリにあるサントアントニオ水力発電所の建設現場で3月29日未明、ダム建設のためにジャリ川の水をせき止めていた堤防が決壊し、1キロ先で作業をしていた作業員1人が死亡、3人が行方不明になる事故が起きた。
堤防決壊が起きたのは3月29日午前2時頃。発電所の主力ダム建設の間、ジャリ川の水の流れを変えるために築かれた堤防の土台となったブラサデイラと呼ばれる部分が壊れ、堤防が崩れた。このブラサデイラは古い設備を利用したもので、ジャリ川の水が例年にないレベルまで増水したために、水の圧力に耐え切れず、崩壊したようだ。
このダム決壊による行方不明者は当初、現場から約1キロの所にいた作業員4人(パラー州出身者2人、マラニョンとピアウイ州出身者各1人)とされていたが、31日に1人が遺体で見つかった。消防は残る3人の捜索を続けている。
主力ダムの建設は3月30日か31日に最後となるコンクリートの流し込みを行うところまで進んでいたが、サントアントニオ発電所の建設ではこれまでにも、魚が大量に浮くといった事故も発生していた。
今回の堤防決壊は、建設の責任を負うECEパルティシパソンエスが、増水のためにジャリ川の水が流れ込んできていた地域にせき止めておいた水も流し込む許可を求めていた最中に起きたため、ECE側には機材その他の被害は出なかったが、州当局は1日、環境破壊と死者の出る事故を起こした責任として、ECEを含むコンソーシアムのEDPに、5千万レアルの罰金を科すとの意向を明らかにした。
EDPへの罰金の通達は4日に行われ、EDP側には10日間の不服申し立て期間と5日間の事由説明の期間が与えられる。ジャリ川への堤防建設で起きた魚の大量死ではEDPに罰金85万レアルが科せられていた。(3月30日~4月1日付G1サイトなどより)