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大統領選予想=ジウマの支持率が急落=依然優位も経済面で懸念=国民は変革をルーラに期待=対立候補の今後の課題は?

ニッケイ新聞 2014年4月8日

 ダッタフォーリャによる大統領選挙にまつわる最新のアンケート結果が5日に発表され、ジウマ大統領(労働者党・PT)が一次投票で勝利との予想が今も続いているが、支持率は44%から38%へと大きく落ちている。6日付伯字紙が報じている。

2~3日に全国162市の2632人に聞いた「10月の大統領選では誰に投票するか」の調査で、1位になったのはこれまで通りジウマ大統領だったが、支持率は前回2月調査時の44%から38%に落ちた。

ただ、他の候補者は得票に大きな動きがない。2位のアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)は前回と全く同じ16%だった。3位のエドゥアルド・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)も前回の9%からわずかに上がっただけの10%だった。

アエシオ氏とカンポス氏のポイントを足してもジウマ氏にはまだ及ばないため、現時点で投票が行なわれたとすると、依然として、ジウマ氏が一次投票で勝利することとなる。

だが仮に、PSBの候補をマリーナ・シウヴァ氏に代えたと仮定した場合、支持率は「ジウマ氏39%、マリーナ氏27%、アエシオ氏16%」の順となり、この場合は決選投票にもつれこむ。マリーナ氏は前回の23%から支持を大きく伸ばしている。

今回、ジウマ氏が支持率を落とした理由としては、「経済動向の悪化」があげられている。11年の大統領就任以降、経済の低成長が続くにもかかわらず高支持を得てきたジウマ氏だが、ここに来て、有権者たちの間で「インフレ」「失業率」「国民の購買力」の悪化への懸念が強くなっている。今回行なわれた調査の質問のひとつの「インフレ率は上がると思うか」の質問に、65%が「上がる」と答えた。

国民の72%は変革を求めており、「ブラジルを変えるための準備ができているのは誰か」との質問には32%がルーラ前大統領の名を出している。これは2位のマリーナ氏のほぼ倍(17%)の圧倒的な数字で、以下、ジウマ氏(16%)、アエシオ氏(13%)、カンポス氏(7%)と続いている。

今後の大統領選に向けての対立候補の課題としてあげられるのは、アエシオ氏の場合は、「低所得者層へのアピール」となる。アエシオ氏は「最低給料10倍以上の層」と「大学卒業者」の間での支持率ではジウマ氏を上回っているが、貧困者の目立つ北東伯では7%の支持しかない。

一方、カンポス氏の場合は「知名度」が課題となる。現在PBSでは、「マリーナ氏が副大統領候補でカンポス氏が大統領候補」という出方が有力視されているが、現時点でのカンポス氏に対する事前知名度は、有権者の33%が「名前は知っている」程度で、42%は「知らない」と答えている。ジウマ氏の場合、「名前は知っている」は12%、「知らない」は1%に過ぎない。