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マセイオー=車や人が小麦で埋まる=製粉工場のサイロが崩壊

ニッケイ新聞 2014年4月10日

 アラゴアス州のマセイオーで7日午後、小麦を貯蔵していたサイロの一つが崩壊し、車や人が生き埋めになるという事故が起きた。
 問題のサイロは同市内ポッソ区のコメンダドール・レオンの大通り沿いにある製粉工場、モトリザの所有物で、高さ約30メートルのコンクリート製のサイロの一つが突然崩壊した。
 壊れたサイロは市内で最も交通量の多い通りの一つに面していたため、少なくとも10台の車が壊れた壁面や小麦に直撃されたり埋め立てられたりした他、雪崩落ちてきた小麦に弾き飛ばされるように道路の反対側に追いやられたり押し流されたりした車もあった。
 サイロの壁の一部は、あたかも扉を開いたかのように宙吊りになっており、取り崩し作業などが難航しそうだが、サイロが崩壊した理由はまだ解明されていない。住民の一部は、サイロには1年ぐらい前からひびがあったと証言している。
 サイロの中にあった小麦は数トンに及び、車や人を直撃したのみではなく、道路の反対側にある商店の中などにも容赦なく侵入。現場には消防や警察が派遣され、副市長や防災局の担当者らも急行。トラクターなどの重機も派遣されて、小麦の回収や撤去作業が行われた。サイロ後方の道路沿いにはコンドミニアムもあり、1軒が小麦に埋まった他、複数の家の住民が外に出られないという状態に置かれた。
 防災局は、残りのサイロの崩壊や宙吊りになっているコンクリートの塊が落ちてきて二次災害が起きる事を警戒し、周辺を一時隔離。警察犬も動員され、生き埋めになった人々の捜索が翌8日にかけて行われた。
 この事故では20人が負傷しており、内5人が重体だ。崩れたサイロの壁に直撃された家は倒壊したが、事故当時は誰も家にいなかったため、惨事を免れたという。(7、8日付グローボニュース、フォトス・プブリカスなど)