ニッケイ新聞 2014年4月10日
コロンビアのボゴタで1〜6日に開催された米州技能競技大会(ワールド・スキルス・アメリカ)で、ブラジルからの参加者が総合得点1万6755点を挙げ、優勝を飾ったと8日付G1サイトなどが報じた。
ボゴタ大会は、2010年のリオ、2012年のサンパウロに次ぐ、米州としては第3回目の競技大会で、17カ国から集まった技術校生らが32部門で技能を競い、ブラジルから送り出された技術校生らが、金25個、銀4個、銅1個の計30個のメダルを獲得した。
1日付アジェンシア・ブラジルによると、ブラジルからの参加者は、全国産業職業訓練機関(SENAI)で訓練を受けている学生30人と、全国商業職業訓練機関(SENAC)で訓練を受けている学生4人で、各々が、地方大会や全国大会を勝ち抜いてきた兵(つわもの)ばかりだ。
2日からの競技は全て一般公開され、170人を超える各部門の専門家と、推定3万人とされる一般会衆の前で総勢186人の技術校生が技能を競った。
ブラジルは2〜6日の競技で総合得点1万6755点を挙げ、2位のコロンビア(金7個、銀17個)に3千点以上の差をつけて優勝した。溶接部門に参加して576点を獲得したブラジルのラファエル・ヴェンデルソン・モライスさんは、全部門を通じた最高得点者に贈られるアルベルト・ヴィダル賞も獲得した。
高校の最終学年生対象とした国際的な学力テストPISAの成績は芳しくないブラジルだが、米州技能競技大会では、12年大会でも、金26個、銀4個、銅3個を獲得し、気を吐いている。
慢性的な熟練工不足や工業部門の国際的な競争力不足が言われるブラジルだが、SENAIなどは他国での技術者養成にも協力しており、高度な技術を身につけた若者達がブラジルの商工業をリードしてくれるのではとの期待も高まりそうだ。
ブラジルがメダルを獲得した部門名は、【金賞】壁と床、電源と暖房、塀建設、石膏と乾燥壁、家具製造、冷却と換気、織物、機械研磨、メカトロニクス、コンピューター制御の旋盤、同フライス盤、伝統的な旋盤、同フライス盤、産業用制御、ロボット工学、溶接、エレトロニクス、機械工学の製図、美容(理容)、製菓、レストランサービス、健康・介護、グラフィックデザイン、モバイルアプリケーションの開発、自動車技術、【銀賞】電気設備、ソフトウエアソリューション、ウエブデザイン、ITネットワークシステム、【銅賞】調理となっている。