ニッケイ新聞 2014年4月11日
地理統計院(IBGE)が9日、3月の拡大消費者物価指数(IPCA)は13年12月と同じく0・92%上昇し、直近12カ月の累積指数は6・15%に達したと発表したと10日付伯字紙が報じた。
IPCAは政府の公式インフレ指数で、政府の公式目標は年4・5%、上限は6・5%だが、今年は前政権終了時を上回るインフレで終わり、上限値を超える可能性さえ囁かれている。
物価上昇の最大要因は、3月に1・92%、12カ月間で7・14%値上がりした食料品だ。毎日の生活に不可欠の食料品はIPCA算出時の比重も最も高い。値上がり幅が特に大きかったのは干ばつや洪水といった天候の影響を受け易い品で、ジャガイモ35・05%やトマト32・85%を筆頭に、牛乳、牛肉、野菜、果物、フェイジョンなどが高騰した。トマトが最も値上がりしたポルト・アレグレ(71%)やジャガイモが最も値上がりしたリオ(60%弱)などは、南東伯や南伯の少雨によるところが大きい。
食料品に次いで比重の高い交通費も、航空券の26・49%の他、エタノール4・07%、ガソリン0・67%などの値上がりを記録し、インフレ指数を押し上げた。
3月に値上がりした品は全体の71%で、2月の64%を上回った。これは、値上がり傾向が全国的なものである事も意味する。
直近12カ月間の部門別累積インフレは、個人支出8・98%、教育費8・72%、住居費7・35%、家財費729%、食料品7・14%に保健費6・90%と9部門中6部門で政府目標の上限値を超えた。上限値以下だったのは、被服費4・94%、交通費3・10%、通信費0・25%の3項目のみだ。
交通費上昇にはガソリンの値上がりも影響しているが、それでも、ガソリン価格は政府の監視下にあり、国際価格上昇分ほど上がっていない。航空券はW杯などで需要が拡大するため、値下がりの可能性は薄い。
ダッタフォーリャが2~3日に行った調査によれば、インフレは庶民の最大の関心事の一つで、65%がインフレは今後も続くと見ている。
この数字は電力不足などで経済の先行きに不安が広がった01年9月の72%以下だが、ルーラ氏が大統領選に勝利する可能性が言われ、インフレが昂進した02年7月の数字と同じだ。ルーラ政権(03~10年)以降、今後のインフレを懸念する声が50%を超えたのは初。カルドーゾ氏とルーラ氏は前政権より低いインフレ率で政権を終えたが、現政権は政権移譲時のインフレ率以上の数字で今期を終えるのが確実視されている。