ニッケイ新聞 2014年4月11日
兵庫県神戸市のNPO法人「関西ブラジル人コミュニティ」(CBK、松原マリナ理事長)の依頼を受けて、サンパウロ州教育局は新品のポ語教科書300冊以上に贈った。それを運んだのは、先月末に訪日したパラナ日伯商工会議所による「第41パラナ日伯友好経済使節団」(西森ルイス団長=連邦下議)で、在日のデカセギ子弟の教育環境向上を期待して協力したという。
CBKが事務所を構える「神戸市立海外移住と文化の交流センター」(旧神戸移住センター)で先月26日(日本時間)、西森下議から松原理事長へと引渡し式があった。団員27人が手荷物として運んだ、250キロに及ぶ教材がしっかりと手渡された。
西森氏は「ブラジル人児童の将来のためにみんなで運んできました。重い荷物ではありましたが、今回の団員は若いメンバーが多かったので大丈夫でした」と笑顔であいさつ。
教科書はCBKのポ語教室や、滋賀県近江八幡市の日本ラチーノ学院で活用されることになっており、松原理事長は「これからは母語教育に大きな弾みがつく。ありがとうございます」と何度もお礼を重ねた。
調整役となったブラジル関西広域連合クリチーバ事務所の山下亮所長は「教育制度改変の際、8年カリキュラム用(現在は9年間)の教科書が不要となったことが、今回の寄贈に繋がった」と説明した。
この『関西広域連合クリチーバ事務所』は兵庫県ブラジル事務所(山下亮所長)が4月から担っている新しい役割だ。同連合は兵庫県知事の井戸敏三氏を代表とし、2府5県(滋賀、京都、大阪、兵庫、和歌山、徳島、鳥取)で構成される。上海、ソウル、バンコク、ワシントン、ウラジオストク、パリなどに事務所がある。
ブラジル兵庫県人会の尾西貞夫会長が、ブラジル日本通運(細谷浩司社長)に協力を呼びかけ、同社が梱包と空港までの運搬を手伝ったという。山下所長は「日本まで届けて頂いた協力者の皆さんに感謝。デカセギ子弟が、日ポ両語を学ぶための良い環境作りに役立ててほしい。立派な国際人を輩出してほしい」と願った。
パラナ経済使節団=帰路は「鯉のぼり」運ぶ=全長10メートルの特注品
大量の教科書を日本に運んだ「第41パラナ日伯友好経済使節団」は、その帰路に「特注鯉のぼり」を持って30日に日本から帰路に着いた。
パラナ日伯文化連合会(リーガ・アリアンサ)の折笠力己知会長が発案し、財団法人「日伯協会」の多田義治副理事長らが手配したもの。岡山県の「徳永こいのぼり株式会社」が寄贈した鯉のぼりは、全6本で大きさは最大10メートルに及び、日伯両国旗入りの特注品だ。
5月に完成式典が予定されるマリンガの百周年記念日本公園や、ロンドリーナの中川トミ公園で使用される予定で、アリアンサの加盟団体も自由に使用できるという。