ニッケイ新聞 2014年4月12日
ブラジルではイベント時、会場周辺で露店商人のお店がずらりと並ぶ光景がよく見られる。6月12日のW杯開幕までほぼ2カ月となった10日、サンパウロ市は、開幕試合が行われるイタケロン・スタジアムの周辺の路上とセントロの一部で、同スタジアムでW杯の試合のある日の露店商人の商業活動を禁じる条例を出した。
同条例は連邦政府が2012年に定めたW杯に関する一般法則に則ったもので、周辺地域(空域も含む)で商業活動を行えるのは大会主催者であるFIFA(国際サッカー連盟)のみとした。
これにより、FIFAやW杯を表現したマーク、シンボル、マスコットなど、大会に関連する知的財産権の侵害とみなされる不法行為が判明した場合、市側が然るべき措置を取ることが認められる。
この条例は、露店商人がイベント開催時に通常商売をしているエリアも対象となる。ただ、対象地域に既に設置されている店に関しては、その商業活動が保証される。
市中心部で同様の措置がとられるのは、ファン・フェスト(FIFA主催の開催都市で行われる公式イベント)が開催されるアニャンガバウーとその周辺だ。だが、同地はサンパウロ市最大の大衆向け商店街ともいえる3月25日通りに近いため、サンパウロ自営露店商人協会(Avaasp)のエドアルド・モンタルト会長は「完全に禁止するなど不可能」と話している。
フェルナンド・ハダジ市長は条例の目的を「試合開催中に何の問題も起きないようにすること」と説明し、「国内で最も行き届いた管理を行う」と明言している。(11日付エスタード紙より)