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リオ五輪=IOCが準備に大幅介入=こちらの作業遅延も問題化=国際スポーツ団体も非難

ニッケイ新聞 2014年4月12日

 2016年のリオ夏季五輪に向けたインフラ工事が遅延している事態を受け、国際オリンピック委員会(IOC)は10日、トルコで開いた記者会見で、今後は市が行っている準備作業に大幅に介入し、試合運営においても実質的な主導権を握ると表明した。11日付エスタード、フォーリャ両紙などが報じた。遅れているのはW杯だけではないようだ。

IOCはその会見で、役員を集めて開いた緊急会議を経てまとめた提言を発表。フォーリャ紙によれば、具体的には次の通り。(1)毎日工事の進捗を管理する専任の現場監督者を雇い、IOCの役員による現地視察の回数を増やす。(2)ブラジルスポーツ界の指導者だけではなく、国内の各層(連邦、州、市)政府の代表者やIOCの関係者も参加する、高いレベルの意思決定団体の設置。(3)国際スポーツ団体のさらなる協力の要請。

報道によれば、「工事の遅れは懸念に値する」との非難の声が各国際スポーツ団体から相次いでいることでIOCのトーマス・バッハ会長に圧力がかかり、複数の競技をサンパウロ市で行うという「プランB」の提案まで出ていたという。

現段階では、実際に建設予定施設の3分の1の工事が着手されたところだ。IOCの主な懸念は、デオドーロ地区に設置予定のバスケットボールやホッケーの競技場の着工遅延、ヨット競技合の舞台となるグァナバラ湾の水質汚濁のほか、各プロジェクトの支出に対する責任者の所在を明確にした文書が完成していないことにも及ぶ。

エスタード紙は、IOCはリオ市側とも事前に連絡を取っており、一方的な決定ではないというが、実際には、リオ市市長にはこのような計画があるとの通達がされただけで、計画を受け入れるか否かの選択権なぞなかったと報じている。

リオ市のエドアルド・パエス市長は五輪インフラの準備状況は「計画範囲内」と説明したが、IOCの理事らはそうは見ておらず、複数の国際スポーツ団体が、工事の遅延は同市政に責任があると指摘している。

同会長はこの決定に関して「一方的なものではないし責任者を追及することが目的ではない」とした上で、介入ではなくあくまでブラジル当局への〃協力〃措置と強調、「大会を成功させるための重要な決定。今適切な行動を取れば、リオは素晴らしい五輪を主催できる」と説明している。

また、同委員会はW杯反対デモの頻発の後、リオ五輪に対する国民の関心が薄いことにも懸念を示しており、それに対して対策を取る作業グループも発足させるという。