ニッケイ新聞 2014年4月15日
W杯中は「何もかもが止まる」と言われているがコラム子が通う大学も止まる。履修中のコースは開幕前に終了予定だ。
先般、学期初めの授業に教員が姿を見せなかった。「授業が始まることを忘れていたから」だとか。教員の過失だ。挙句に「自分が到着するまで1時間待つか」「W杯中の14日に授業をやるか」どちらかを選ぶよう、彼女は電話で教室にいる学生に伝えてきた。
「どちらもありえない!」と大騒ぎになり、「出席リストとして出すから、皆名前を書いて」と紙が回ってきた。日本人的には「月謝を溝に捨てるより、W杯中に授業があったほうがいい」と思うが、そんな〃常識〃は通じないようだ。
W杯中の授業を頑なに拒むのは、何が何でも試合を観たいからではないだろう。単に「せっかくの休みを侵害されたくない」との心理か。W杯より勉学―は大学ですら通じないらしい。(詩)