ニッケイ新聞 2014年4月18日
【既報関連】この夏の少雨に伴う火力発電所の稼動などにかかる出費を補うため、2015年以降の電気代は8~9%値上がりすると見られていたが、Aneel(国家電力庁)は17日、南大河州の電力配給会社AES‐Sulの一般消費者向け電気料金を、平均29・54%引き上げることを承認した。同日付エスタード紙が報じた。
この平均29・54%という値上げは、今年に入って行われた価格調整のうち最大幅となる。低圧電線から供給を受ける一般家庭および商業向けの平均電力料金は28・99%、高圧電線から供給を受ける製造所などに対しては平均で30・29%引き上げられる。新料金の適用は今月19日から。同社では南大河州内の顧客130万軒に電力を供給している。
2012年9月、連邦政府は、一般家庭16・2%、商業部門20%、産業部門は最大28%という電気料金値下げ案を発表し、2013年1月から適用した。この時点でAES‐Sulは、一般家庭で平均23・62%の料金値下げを実行した。
しかし、AES‐Sulは同年4月の定期的な料金見直しで平均3・6%の値上げを決定。さらに今回の値上げ承認で一般家庭向けの料金は28・86%上がるため、一般家庭向け電力料金は政府の料金引き下げ政策実行前と比べて実質1・96%値上がりする。同政策実行前より電気料金が高くなったのはAES‐Sulが初めてだ。
Aneelは、今年に入ってから一貫して二桁の値上げを承認している。これまでに承認された一般家庭向け電力料金の値上げ率は、セアラー州Coelce社16・55%、サンパウロ州CPFL社16・46%、バイア州Coleba社14・82%、ミナス州Cemig社14・24%、セルジッペ州Energisa社11・83%、麻州Cemat社11・16%、リオ・グランデ・ド・ノルテ州Cosern社11・01%となっている。
このような大幅値上げは、主な水力発電所がある地域を襲った昨年の旱魃で、コストの高い火力発電所の稼動を余儀なくされたことが主な原因だが、これ以外にも配給会社によって様々な背景がある。
例えば、イタイプー水力発電所から最大規模のエネルギー供給を受けているCemig社の場合、同発電所の料金がドルで設定されているため、ドル高レアル安の影響も受ける。AES‐Sul社の場合は、供給元との供給契約期限が切れたために新たな契約を結んだことが大幅な料金引き上げにつながった。