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日産=リオに南米初の自社工場=投資総額は1184億円=年産20万台の生産能力=16年までに市場の5%目指す

ニッケイ新聞 2014年4月18日

開所式であいさつするカルロス・ゴーン社長(共同通信)

開所式であいさつするカルロス・ゴーン社長(共同通信)

日産自動車株式会社(本社=神奈川県横浜市、カルロス・ゴーン社長)がリオデジャネイロ州レゼンデ市に、南米初となる生産工場を建設し、15日に開所式を行った。総投資額は26億レアル(約1184億円)。同社の広報資料によれば、今回の投資は「ブラジルにおける最大の自動車関連投資の一つ」。現在メキシコからの輸入に頼る小型車「新型マーチ」などの生産から始め、2016年までにブラジル市場シェアを2%から5%まで拡大、当地におけるトップメーカーを目指す。共同通信など日本の各紙が報じた。

BRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)における事業強化戦略の一環として、当地では02年から、提携する仏ルノーのクリチーバ工場(年間5万9千台)で生産を行っていた。自社工場は今回が南米初となる。イタグアイ、リオの2港に近く、アクセスの利便性が高いことから同市が選ばれた。
敷地面積は305万平方米で、部品生産から車両組立までを行う。商品性能を試験するテストコースなど自動車生産の全ての工程も完備。年間生産能力は車両20万台、エンジン20万基。国内市場向けに、軽量で低コストなVプラットフォーム車両を生産する。
現在の従業員数は約1500人だが、総勢2千人にまで増える見込みという。16年までに部品の現地化率も60%から80%への拡大を図る。
開所式でゴーン社長は、「国民一人当たりの車両台数はアメリカの3分の1。まだ成長の余地がある」とあいさつ。ブラジル日産のフランソア・ドッサ社長も、「新工場は、2000年にブラジルで事業を開始した日産のプレゼンス(存在感)を強固なものとする」と重要性を強調した。
日産は16年に開催されるリオ五輪およびパラリンピックの公式スポンサーで、資金拠出のほか、選手や大会関係者らにクリーンエネルギー車を中心とした車両約4500台を供給する予定という。大型イベントでしっかりブランドアピール、市場シェアの引き上げを図る見通しだ。