ニッケイ新聞 2014年4月23日
22日未明、大サンパウロ市圏オザスコ市のバス会社ウルブプンガ社の車庫に犯人グループが押し入り、バス34台に放火と同日付各紙サイトが報じた。
プレジデンテ・メディシ大通りとアグアス・ダ・プラッタ街に囲まれた車庫襲撃は午前1時頃で、少なくとも6人の武装男性が従業員と警備員を制圧後、ガソリンをまいて放火した。ガソリンをまき始めたのは未成年らしき2人だが、2人が手間取っていたために従業員らも手伝わされた上、その一人は点火も命じられた。侵入から放火までは3~4分で、別の車庫から駆けつけた同社従業員によると、点火を命じられた従業員が腕に火傷を負ったという。
この事件では、車庫にあったバス34台中23台が全焼、11台が半焼(当初は半焼12台と発表されたが、その後11台に訂正された)。
ウルブプンガ社によると被害額は最低1千万レアルで、同額には車庫の修復費や減収分は含まれていない。同社は178台のバスを有し、サンパウロ市北部やオザスコ市内で21路線を運行しているが、20%相当のバスが被害に遭ったため、22日朝の路線バスは運転間隔が開き、乗客がすし詰め状態になっていた。同社では約2万人の利用客に影響が出たと見ている。
警察は、今回の事件は21日夜、19歳の麻薬密売者が死亡した事件への報復と見て、バス備え付けの防犯カメラの映像などの分析を開始した。同社では車庫襲撃の数時間前にも別のバス2台への襲撃未遂事件が起きている。06年以降焼き討ちされた同社のバスは110台以上に上るが、脅迫を受けたりした事実はないという。