ニッケイ新聞 2014年4月24日
地元開催となる6月からのサッカー・ワールドカップで優勝を狙いたいブラジルの代表チーム(セレソン)だが、23日付フォーリャ紙が「レギュラーたちが試練のときを迎えている」との見出しで記事を組んだ。それによると、レギュラーと目されている11人のうち、6人が問題を抱えているという。
エースのネイマール(バルセロナ)は16日のスペイン国王杯でのレアル・マドリッドとの決勝戦で左足甲を傷め、全治4週間の怪我を負った。ネイマールのここまでの成績はアシスト数の多さなどで評価されている部分もあるが、バルセロナではセレソンとは違うポジションでの働きを要求されている。また、契約問題での疑惑など、フィールド以外での頭痛の種も多い。
また、センター・フォワードで昨年のコンフェデ杯得点王のフレッジ(フルミネンセ)は怪我で長期間戦列を離れていた。現在も病み上がり的なプレーが否めず、フルミネンセのファンからも苦情の声が出ている。
守護神のジュリオ・セーザルはコンフェデ杯では活躍したものの、33歳のベテランに対しては強豪クラブが契約を結ばず、現在は弱小のカナダ・リーグのトロントFCでプレー中。試合勘の鈍りが心配されている。
また、ディフェンス陣では、ダヴィド・ルイスが所属の強豪チェルシーで本来のポジションではないボランチとして出場中。マルセロは故障が多く、所属のレアル・マドリッドでは大事な試合で先発を外れることが多くなって来ている。
また、ボランチのパウリーニョ(トッテナム)は、イングランド・プレミア・リーグで5得点をあげるなど決して悪いとは言えない成績ながら、一時、先発出場を外されていた。現在は先発陣に戻ったが、本人が希望する第1ボランチではなく、第2ボランチでの出場となっている。
残る5人で現在フォーリャ紙が「良好」と判断しているのは主将でセンター・バックのチアゴ・シウヴァ(パリ・サンジェルマン)、オスカール(チェルシー)、フッキ(ゼニト)の3人のみ。特にコンフェデ杯で調子を落としていたオスカールは、チェルシーのモウリーニョ新監督に重用され、自信を取り戻しつつある。フッキも地味なロシア・リーグながらチームの主力として牽引している。
また右サイドバックのダニエル・アウヴェス(バルセロナ)とボランチのルイス・グスターヴォは「安定」と評価。ダニエルはバルセロナ自体が不調な中でもレギュラーとしての仕事をこなしており、ルイス・グスターヴォは、強豪バイエルンから同じドイツの弱小ウォルフスブルグに移籍したが、そこで良い働きを見せている。
こうした状況についてフェリポン監督は「ネイマールやパウリーニョはアンチに嫌われているだけで、チームには欠かせない存在になっている。言いたいヤツには言わせておけ」と語っている。
フェリポン監督は4月の始めに1週間以上かけて欧州を旅行。対戦相手の分析も兼ねて、選手たちの訪問などを行った。本番まで、セレソンのレギュラー布陣に変更はあるか?