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CPI問題=「PB社のみ」の暫定命令=連邦政府の目論み狂う=最高裁ローザ判事が判断=与党は引き伸ばし狙うか

ニッケイ新聞 2014年4月25日

 ペトロブラス問題のみに焦点を絞るか否かが注目されている、上院の議会調査委員会(CPI)に関して23日、最高裁のローザ・ウェバー判事がペトロブラス問題のみに絞るよう決定を下した。この最高裁判断は連邦政府の思惑と反する結果となった。24日付伯字紙が報じている。

 ペトロブラスによる米国のパサデナ製油所買収で同公社が多大な損失を被った件で、買収決定時に同公社の経営審議会議長を務めていた労働者党(PT)のジウマ官房長官(現大統領)らが契約条項を熟知しないままで買収を承認したことが発覚後、与党の反乱分子や野党側は同公社に限定したCPI設置を求めていた。上院の場合、3月27日にCPI設置に必要な数の署名が集まり、設置手続きがはじまった。

 再選を狙うジウマ大統領やPTの印象悪化を嫌う与党はCPI設置は避けられないと判断し、このCPIを、アエシオ・ネーヴェス氏の民主社会党(PSDB)が抱えるサンパウロ市地下鉄等のカルテル問題、エドゥアルド・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)がペルナンブッコ州知事時代に行なわれた同州スアペ港の汚職問題に関しても包括して調査を行なうものとする案を出した。

 これに対し、アエシオ氏をはじめとする野党上議らは4月8日に最高裁に出向き、CPIを同公社のみのものにする嘆願書を出したが、9日に同包括案が上院憲法法務委員会を通過し、与党も最高裁に包括的CPI設置承認を要請した。

 だが23日夜、ローザ判事は上院のCPIをペトロブラス問題のみにする暫定命令を下した。この決定は最高裁の全体会議にかけて審議される。

 ローザ判事の決定は連邦政府の思惑と真反対のものだった。政府は同判事がCPIの対象決定を議会に託すという判断を下すと期待し、そうなれば多数派の与党が有利になると踏んでいた。

 今回の決定は暫定的なもので、与党側が上告すればそれによってCPI設置を遅らせることが可能だ。また最高裁の全体会議の決定も時間を要す可能性もある。しかし、ローザ判事の暫定命令では、野党側は即座にCPI結成に動いてよいことになっている。この決定を受け、アエシオ氏は「これは野党側だけでなく、ブラジル社会全体の要望だ」と語った。

 ペトロブラス問題のみに絞ったCPIが結成された場合の調査対象は、パサデナ製油所問題のほか、同公社にプラットフォームを賃貸しているオランダのSBMオフショア社による1億3900万米ドルの贈賄疑惑、23億米ドルの予定だった建設費が結果的に180億米ドルに膨れ上がったペルナンブッコ州のアブレウ・エ・リマ製油所問題、必要最低限の安全設備もないまま使用されている洋上プラットフォーム問題などだ。

 一方、下院本会議は23日、パサデナ製油所問題に関し、ペトロブラスのグラッサ・フォステル現総裁とジョゼ・セルジオ・ガブリエリ前総裁、ギド・マンテガ財務相、ルイス・イナシオ・アダムス連邦総弁護庁長官を答弁に召喚することを承認した。