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定年退職後25%が就労=高齢者が家計の半分支える

ニッケイ新聞 2014年4月26日

 若い労働者が減少傾向にある中、2013年の場合、60歳以上の人口1400万人の内、定年退職後も就労している人が4人に1人いる事が判明した。

 2009年は、60歳以上でも仕事をしている人の割合は20%だったが、4年後の13年の高齢者の就労率は25%に上がった事になる。13年の調査は、9月と10月にサンパウロ、リオデジャネイロ、ポルト・アレグレの3市の高齢者に1千人にアンケートして集計したものだ。

 「年金だけでは生活費が足りなくて働いている人もいるが、若い労働者が少なくなった事も高齢者の就労率が上がった原因」と説明するのは、ソマトリオ研究所のマルセロ・ゲーラ氏。この傾向は社会階層が高い人ほど強く、Aクラスでは高齢者の就労者が3人に1人(33%)いたのに対し、Bクラスは30%、Cクラスは25%、Dクラスは13%だった。

 また、地理統計院(IBGE)が毎月行う雇用調査でも、15歳以上で経済的に活動している労働者(無給の家族従業者や研修生、就労の意思がある失業者を含む)経済活動人口(PEA)の中で、最も増えたのが50歳以上の層だ。

 同調査によると、15~17歳のPEAは2012年が前年比0成長であったのに対し、13年はマイナス0・1%、18~24歳では12年が前年比マイナス0・2%だったものが13年にはマイナス0・7%に拡大。この年齢層が占める割合が4・5%下がった事で、PEAの成長率は0・7%ポイント下がった。また、25~49歳のPEAも12年が0・9%増、13年は0・2%増に止まった。

 これに対し、50歳以上のPEAは、12年が0・9%増、13年は1・2%増で、唯一その割合が増加した。この年齢層の参加が5・5%増えた事は、PEAの成長率を1・2%ポイント押し上げた。労働市場全体のPEA成長率は、12年が1・6%だったのに対し、13年は0・6%増に止まり、テンデンシアス・コンスルトリア・インテグラーダのラファエル・バシオッチ氏は、「50歳以上の人達が働き続けていなければPEAは更に低下していた」としている。

 66歳の仕立て屋、レオニウド・ゴメス・ダ・ロッシャ氏は、4人の子供の内3人が同居、妻の母も健在という環境で食べていくため、定年退職後にリフォームやサイズの調整を専門とする店を開業し、月約2千レアルの収入を得ている。

 「私が家計の中心」というレオニウド氏の言葉は特に穿ったものではなく、IBGEの調査でも定年退職後の人が家計の半分以上を支えているという数字が出ている。この割合は社会階層が低いほど大きく、Aクラスでは55%だが、Dクラスでは88%に上る。

 定年退職後に働く人の半分以上は非正規雇用者で、固定給をもらう正規労働者は少ない。企業側にとっては経験もある熟練労働者を安く雇えるという利点にもなるが、高等教育の場に進む例なども含め、労働市場に参入する若者が減る中、2008~09年の金融危機のような経済活動減速化がない限り、高齢者の出番は益々増えそうだ。(23日付エスタード紙より)