27日に行われたサッカーのスペイン・リーグの一戦で、黒人系選手に対する応援団の人種差別的行為に対するブラジル代表選手のダニエル・アウヴェス(バルセロナFC)のとった行為が、人種差別反対を訴えるものとして話題と強い共感を集めている。28日付伯字紙が報じている。
問題の行為は、エル・マドリガル・スタジアムで行われたビジャレアル戦の後半30分のことだった。コーナーキックを蹴ることになったダニエルはキックの際、自身に対する侮辱行為として相手応援団から投げ込まれたバナナを拾い、それを素早く食べてからコーナーキックを行った。
この行為の後、1―2と劣勢だったバルセロナは形勢逆転し、3―2で勝利を収めたが、それ以上にダニエルの行為はネットを中心に多くの人の関心を集めた。ダニエルは、自身がバナナを食べた瞬間の写真を「父親から痙攣を防ぐためにバナナを食べろと言われたものだ」とのコメント付きであげ、「おかげで得点に繋がるコーナーキックを蹴る力をもらった」と語った。
チームメートのネイマールは「2014年にもなって人種差別なんてはずかしいよ」とし、自分はバナナを持ち、息子にはバナナのぬいぐるみを持たせた写真をネットにあげ、「ソーモス・トードス・マカーコス(僕らはみんな猿だ)」というタグをつけて、賛同者の支援を募った。
すると、この行為にブラジルの有名人たちが続いた。名物司会者夫婦で知られるアンジェリカとルシアノ・フッキ、歌手のイベッチ・サンガーロやミシェル・テロー、クラウジア・レイチ、女優のイングリッド・ギマリャンエスらが次々とバナナを食べる写真をネットにあげ、ダニエルへの連帯を示した。
ダニエルとネイマールはバルセロナでの試合中に猿の鳴き真似やバナナを投げつける侮辱行為を頻繁にされている。こうした行為はリベルタドーレス杯など南米の試合でも最近見受けられ、問題化していた。ジウマ大統領も今回のダニエウの行為を賞賛している。