イエメンのアブド・ラッボ・マンスール・ハーディー大統領が4月29日、警察学校の卒業式で、同国で死亡した国際的な過激派組織「アルカイダ」に属するテロリスト、少なくとも26人の中にはブラジル人も含まれていると発言した。
ハーディー大統領は、「イエメンにいるアルカイダのテロリストの70%は外国人だから、この国を破壊する事に何の痛みも感じない」とし、死者の中にはブラジル、オランダ、フランス、オーストラリアといった国から来た人々が含まれていると語った。
イエメン政府がどのようにして死者達の国籍を割り出したかや人数、氏名などは明らかにされておらず、ブラジル外務省も現在、大統領発言の詳細を確認する作業を行っている最中だ。
イエメンはアラビア半島で最も貧しい国で、2012年2月に始まった「アラブの春」で、同年2月25日にアリー・アブドラ・サーレハ大統領が退任した後は政治的に不安定な状況が続き、過激派集団が勢力を伸張していた。
同国南部を基盤として活動しているアルカイダのメンバーは、アラビア半島で最も危険な国際テロ集団とされており、自国軍だけではイスラム主義の過激派集団一掃は困難と判断したハーディー大統領が米国の無人飛行機の使用を要請した。
今回始まったイエメン軍によるアルカイダの基地空爆は、2012年5月に開始された、同国南部の町々を占拠した過激派集団の一掃を目指す作戦の中でも最も大規模なもので、イエメン軍もこの作戦でアルカイダ側の勢力を一気に殺ぐとの意向を明らかにしている。無人飛行機による同国南部の空爆は頻繁に行われており、市民を含む犠牲者の数も急激に増えている。今回上げられた少なくとも26人という数字も、過激派集団に属するメンバーだけか、彼らが人質としていた外国人を含む可能性があるものかは明確にされていない。(4月30日付エスタード紙、フォーリャ紙より)