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サンパウロ市中心部でMTSTがデモ=開発法案の審議延期に反発

ハダジ市長によるサンパウロ市の総合開発法案(プラーノ・ジレトール、PDE)改正案の議会での投票を延期するとジョゼ・アメリコサンパウロ市議長が発表し、それに反発した社会運動家らが4月29日夕方、サンパウロ市中心部でデモを行った。
4月30日付エスタード、フォーリャ両紙などによると、デモの主導者はMTST(ホームレス労働者運動)の集団だ。3千人のデモ隊(軍警の発表は500人)は市議会に投石し、周りの格子を破壊、建物前の仮設トイレやバリケード用のタイヤやゴミ、家具、議会横のレストランにも放火するなどの破壊行為に出て軍警と衝突した。
混乱は1時間あまり続き、帰宅の時間帯だった現場は一時騒然となった。この混乱で、顔面に石を投げつけられた市議会警備の警官が一人、緊急診療所に運ばれた。また、デモ隊の一部はセー広場まで流れた後、再び市議会前に戻り、30日の審議再開を見守るために泊り込んだ。
29日の投票延期は、議会内の五つの委員会がPDEを検証した結果をまとめた報告書を出していなかったためだ。同日は市街化政策、法務の2委員会の報告書しか出ておらず、インパクトの少ない項目に関する審議が始まったものの、報告書に基づく修正案は投票前に官報に掲載されていなければならないとの理由で、投票が30日に延期された。審議は30日の午前中に再開されたが、全ての報告書が出揃ったかは報じられていない。
野党PSDBリーダーのフロリアノ・ペザロ市議は、この混乱を「市長の無責任さの結果」とした。野党市議らは、先週市長が市役所前に止まった運動家らの街宣車に乗り込み、改正案の審議を急ぐために市議会に圧力をかけるよう頼んで運動家をけしかけたと非難している。
PDEの改正案には、「社会事業向け特別ゾーン(Zeis)」に指定された地域への大衆住宅建設を優先することなどが盛り込まれている。