パラー州ベレン市で3日まで開催中の高齢者医療の学会で、ブラジルでは高齢者の骨折が急増中で、手術まで1カ月を要する例まであると報告されたと2日付フォーリャ紙が報じた。高齢者の骨折に伴う手術は24時間以内、最高でも48時間以内に行う事が望ましいが、ブラジルでは手術が遅れ、生命が危険にさらされる例も多いという。
統計によると、高齢者の30%は1年に1度転倒し、その内の5%は骨が弱くなった事で起きる骨折を経験している。骨粗しょう症などによる骨の劣化が原因の骨折は大腿骨や脊椎、手首などで起こりやすい。大腿骨骨折は寝たきり等を招きやすく、肺炎等の炎症を併発して1年以内に死亡する人が20%に及ぶ。
保健省によると、08年から13年に起きた高齢者の骨折は6万7664件から8万5939件に30%増えている。サンパウロ州では1日30人の高齢者が大腿骨骨折で入院。州保健局によれば、高齢者の入院例は10年間で70%増えている。
高齢化社会での骨の劣化による「骨折流行」は深刻で、南米ではこれから20年の間の高齢者の骨折は6倍になると予想されている。こういった傾向には、骨粗しょう症等の骨の病気の治療と、カルシウムやビタミンDの豊富な食事を採り、筋肉強化やバランス感覚改善のための運動を行う、日光に当たるといった方法が役に立つ。