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川目弁護士の法律アドバイス=日本ではここに気をつけて!=車を交換したら名義移転を

日本でブラジル人の方からの法律相談を受けていると、日本では当然と思っていることが、ブラジル人にとってはそうではないことがあると分かります。
例えば日本でも、物と物とを交換する「交換契約」という法律行為をすることはできますが、日本では、現実的には交換契約が締結されることはほとんどありません(不動産などを除く)。個人間での売買でさえ、日本ではまだまだマイナーであると言ってよいと思います。
ところが、ブラジル人の方の相談を受けていて、在日ブラジル人の方は、個人間で車を交換することが珍しくないということを知りました(ブラジルでもそうなのでしょうか?)。
この交換にあたり、名義移転などをきちんとしていればよいのですが、これを怠ってしまったため、その後にトラブルなったという相談を受けることがあります。日本では車の名義人であると法律的な責任が発生する危険があるので、車の売買や交換の際には絶対に名義移転を完了させておいていただきたいと思います。
また日本では、車を購入した人は、政府が運営する強制保険に加入するだけではなく、さらに任意保険に加入して、万が一の事故が起きた時に備えるのが一般的です。ですが、ブラジル人の方の相談を受けていると、任意保険に加入している方がかなり少ないようです。
日本では任意保険の加入は常識なので、裁判では任意保険に未加入であるということは相当に不利に働くので、少なくとも日本で車に乗る場合には、任意保険への加入を強くお勧めします。

弁護士法人川目法律事務所代表 川目武彦(かわめ・たけひこ)

1978年生まれ、埼玉県川越市出身。埼玉県立川越高校卒、上智大学法学部法律学科卒。2004年に司法試験に合格し、09年に弁護士法人川目法律事務所(浦和)を設立。その後、東京都、千葉県にも事務所を設立。13年に開設した群馬の事務所にはポ語通訳を置き、在日ブラジル人にも対応。珍しい取り組みと反響を呼んでいる。