10月の大統領選挙への出馬が有力視されているエドゥアルド・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)が4日、同じく有力野党候補と目されているアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)との立場の違いを明言した。この両者はジウマ大統領打倒のために共闘するかとも目されていたが、それをカンポス氏が否定する形となった。5日付伯字紙が報じている。
大統領世論調査で2位のアエシオ氏と3位のカンポス氏はそれぞれ、タンクレード・ネーヴェス氏とミゲル・アラエス氏という、民政復活のために戦った高名な政治家を祖父とし、長い友人関係にあることで知られている。この10月の知事選のための連立の打ち合わせを行なっている姿も目撃されている。
2日にはアエシオ氏自身がバイア州でのイベントで、「15年にはエドゥアルド(・カンポス)と私と(カンポス氏の副候補の)マリーナ(・シウヴァ)が一緒に同じ計画のために働いていることになるだろう」とまで語った。
だが、カンポス氏自身は、そんなアエシオ氏の希望的観測をみずから否定した。4日にリオで開かれた左翼政党の自由祖国党(PPL)のセミナーに参加したカンポス氏はアエシオ氏に関して「私と彼が最後に同じ側についたのは『ジレッタス・ジャー』で共に国の民政復活を目指したときで、それ以来、約30年間は政治的に目指しているものが大きく違う」と答えた。
この発言は、副候補のマリーナ氏が長きに渡りPSDBと強い敵対関係にあった労働者党(PT)の所属であったことも関係している。実際にマリーナ氏は2日、アエシオ氏に関して「大きな違いがある」と語っていたが、カンポス氏もそれに続くことになった。
アエシオ氏とカンポス氏は「増えすぎた大臣職を減らす」「大統領の任期を5年にして再選を禁止する」「インフレを抑制する」、そして「連邦政府からの干渉を抑制すべく中央銀行により強い主権を持たせる」など、公約の面でほぼ一致する部分も見られてはいる。
だが、「税制改革」に関してアエシオ氏が議会に対する具体的な提案を行なうための特別局を半年の期限で結成したいとしているのに対し、カンポス氏はそれに反対している。また、アエシオ氏が労働法の解釈に柔軟性を与えたがっているのに対し、カンポス氏は遵守すべきと考えている。「刑法上の成人対象」に関しても、アエシオ氏が16歳までに引き下げたいとしているのに対し、カンポス氏は「年齢ではなく治安上の問題」として異を唱えている。
またカンポス氏は、4日の同じセミナーの中で、ジウマ大統領がインフレを抑制するためにガソリンの値段を抑える政策を採ったことを批判した。だが、一方で「次の政権がボウサ・ファミリアを廃止するようなことがあればそれはテロだ」として、一部で自身について流れていた噂を否定した。